当店別注のスーツ

こんにちは、Tango245です。
本日は当店別注のスーツ、ジャケットについて書きます。当店、60年代のデッドストックから現行品のビスポークのスーツ、ジャケットを、イギリス物、フランス物、イタリア物と節操なく在庫しております。そんな中、店主は、コンベンショナルな紳士服のアイテムの中で、一番流行を受けやすいのがパンツ、その次が、パンツを含んでいる分、スーツと考えており、パンツ、スーツに関しては、(いろいろと言っている素材や縫製についてはひとまず置いておいて)比較的新しいものの方が、着やすい、合わせやすい、というのはあるかと思います。ですが、古い物も、「これはさすがに無理」というのもありますが、今来ても素直に格好いいと感じるものもあり、実際、これまでで店主が一番気に入っているのは、61年製のアンダーソン&シェパードのジャケットであります。

思うに、(コートはもちろん)ジャケットやスーツというものは、ほぼほぼ60年代で完成しているのではないか、という気もします。ファッション業界は毎年毎年違ったものを出さないとマスでは売れませんので、流行りやトレンドを生み出そうとします。ですが、そもそも完成している状況から、毎年毎年、よりいいものを生み出そうとするのは、結果的に、毎年毎年ちょっとずつ改悪させてしまい、その改悪の振り子が振り切った時点で修正が入って、クラシックに回帰するという繰り返し(個人の感想です)なのかもしれません。そう考えれば、60年代の物に愛着をおぼえてしまうのも合点がいきます。

ということで当店別注のスーツ、ジャケットは60年代の英国物のジャケットがベースです。英国物がベースですが、見た目も着た感じもナポリ物のように軽いです。そもそもナポリ系のスーツは英国人の避寒地としての側面から派生した面もあると聞いておりますので、もともと両者は相性がいいのかもしれません。先日いらしていただいたお客様もヘンリープールパニコの相似性をご指摘されていました。英国物と聞いて鎧や軍服をイメージされたお客様は是非一度、今春完成予定のサンプルに袖を通していただければ、と存じます。当初1年はお試し価格のご提供です。クラシコイタリアも30年以上経っておりますので、時代感やご自身のご体型にも変化はあるかと思います。これまでクラシコ系であったお客様も、試しに一度英国系に振っていただくのも一考かと存じます。提携した気鋭の仕立て屋さんともに、ビスポークは、フルハンドと一部ミシン縫いを使用し価格を抑えたセミフルハンドの2パターンで展開し、さらにニーズがあればより一層価格を抑えたマシンメイドの既製品もご提供いたす予定でいます。

また当店、雲上サルトや雲上メゾンのビスポーク物を商品として多数取り扱っております。元ネタは既に研究済みなので、〇〇風といったご要望にも、気鋭の仕立て屋さんとともにマニアックに対応可能ですし、当店在庫を素材に、サイズの手直しやモーダ系に振ったリノベーションもお受けいたします。是非幅広くお付き合いいただければ、と存じます。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

当店の別注品について

こんにちは、Tango245です。

当店、ヴィンテージ商品の販売をしております。誠に僭越ながら商品には多少の自負を思っておりますが、その商品も売れれば無くなってしまい、もちろん別の人にまた大事にしていただけるのは非常にありがたい反面、手元からなくなってしまうことに対して一抹の寂しさも感じてしまいます。実物はなくなってもなにかDNAみたいなものをなんとか残せないだろうか、と開店以来このことを考えておりました。

商品を眺めておりますと、フォルムの美しさ、素材の上質さ、縫製の丁寧さは、ブランドにもよりますが概ね2000年前後を境に大きく差がついていくように感じます。60年代のアンダーソン&シェパードと自分が2000年代後半にビスポークしたアンダーソン&シェパード、コークストリート時代のクレバリーと同じく2000年代半ばに自分がビスポークしたクレバリーを比べると、正直、同じブランドなのかと悩んでしまうほどの差を感じてしまいます。また当店、特段、古いものを意識して販売しているわけではないのですが、ご来店いただいたお客様がなんとなくお手にとっていただける商品も、だいたいですが2000年半ばぐらいまでのものが多い感じです。こういった美しいシェイプの品々、あと10年もすれば思わぬ高値になっているかもしれない一方で、埋もれていって忘れられてしまうのかもしれません。もしそうなれば非常に残念であります。

そこで、このままでは埋もれていってしまうかもしれない、そのシェイプをリスペクトしつつ、一方で店主のこだわりも満載した、別注品の販売を計画し、話を進めてまいりました。別注品として何かを継承していければ、現在の商品も心おきなく嫁がせることができるのではないかと考えた次第です。ネクタイは既に製品化が始まっており、靴についてもサンプル品を現在製作中です。スーツ、コートも概要がほぼ固まりました。店頭に置くのはそれぞれもう少し先になりますが、ぜひ一度、当店の別注品をお手に取って見ていただければ、と存じます。(詳細は、次回以降、当ブログにて書いていきます。)

繰り返しになりますが、商品が売れていくことに、感謝しつつも一抹の寂しさを感じている店主が、それらの何かを残したいと考えた、スピンアウトな部門です。それらの何かが残ればいいので、マスや流行は追いかけていません。靴はもちろんですが、スーツやコートにおいても、シーズンごとのディテールの変更は基本的にいたしません(ご希望にはもちろん柔軟にご対応させていただきます)。せいぜい生地感のご提案どまりでしょうか。ネクタイもハウススタイルの柄と無地を除けば、ほぼ単品ごとの展開で人とかぶることはありません。長く着れる品をご検討中のお客様、是非よろしくお願いいたします。各アイテムとも当初一年間はお試し価格にてご提供いたす予定でおります。

なお当店の本業は、ビンテージ品の販売で、今後もマニアックな商品を並べてまいりますので、引き続きご贔屓の程、宜しくお願い申し上げます。また大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

 

若い職人の皆さまへ

こんにちは、Tango245です。
突然ですが、若い職人の皆様、当店の在庫をお貸しいたします。当店、中央区でビンテージショップを営業しておりまして、店主が昔、直接誂えた、あるいは別に買い求めた、ビスポーク品を中心に販売をいたしております。スーツですとヘンリープールやカンプス、パニコ等の英仏伊のビスポーク物を、靴ですとクレバリーやフォスター&サン、パリロブ、あるいはガット、ステファノベーメル等のビスポーク物を、一部プレタポルテの品も含め、スーツで約100着、靴も50足ほど、それぞれ在庫しております。

お若い職人の皆様は、こういったビスポークの品にご興味はありませんでしょうか。すでにハウススタイルをお持ちで、確立されていらっしゃれば、我々が出る幕はありませんが、もし一度こういったものを俯瞰して研究してみたい、あるいは一つのサルトを時系列で追っかけてみたいとお考えの職人様がいらっしゃいましたら、当店の在庫をお貸ししようと考えております。もちろん無料ですし、分解されると困る品もありますが、分解していただいて構わない品も少なからずご用意しております。

こういった品は、昔の品の方が上質であるとよく言われ、当店にも、クレバリーではコークストリート時代の品、再スタートさせる93年の品、90年代後半の品、そして店主自身がビスポークした2000年代前半の品等をそれぞれ在庫しております。上記4点を比較すると、明らかに年月を遡るにつれて品質の良さを感じます。アンダーソン&シェパードやスマルト等のスーツも同様であります。

ジョージクレバリーがコークストリートの店舗を始めるのが1958年です。以降60年以上の歴史があります。弟子が代替わり毎に師匠の技術を継承し、努力によってさらなる高みに到達できていれば、そして同業者が切磋琢磨していれば、「昔の靴は素朴でいいね」とか「ある意味新しいよね」とかそう言った表現で昔の靴を語ることはあっても、現在のような絶対的な評価は受けていなかったと思います。

ではなぜ、技術の向上は止まってしまったのでしょうか。もはや昔のような美しいフォルムは再現できないのでしょうか。当店はそうは考えません。効率性や成長性の追求がそうさせてしまっただけで、日本の職人の皆さまでしたら、本家がもはや作れない昔の逸品を、再現どころか凌駕できる逸品を生み出せると考えております。

皆様のハウススタイルを否定しているわけではありません。ただ誠に僭越ではありますが、他の有名サルトを研究されてみて、得るものが少しでもあればプラスですし、何も得るものがなければ、逆にかなりの自信になるのでは、と考えている次第です。

当店には、数多くの逸品があると自負しており、一部では実際にそういうご評価をいただいております。ですが、当店のコンセプトはone and only、「売れれば終わり」の宿命にあります。今はまだここに多数集まっており、先ほどのクレバリーのように同一工房の品が時系列的に複数あることで相乗効果が出ている状況です。数が少なくなっていくうちに相乗効果はなくなり、最後は何も残りません。店主が気に入って購入したものがまた別の人に気に入っていただけるのは、非常にありがたいことですが、一つ、また一つとなくなってしまうことに一抹の寂しさを感じております。なのでこれらの品々のDNAみたいなものを何らかの形で残しておきたいと考えているところです。そういった品をお貸しすることで、その品のサムシングが若い職人の皆様に知識として吸収されるのであれば、店主も心置きなく、嫁がせることができます。ご興味お持ちいただける職人様いらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。よろしくお願いいたします。

 

取扱ブランド

ビスポーク
ヘンリープール、ハンツマン、アンダーソン&シェパード、トミーナッター、ギーブス&ホークス、ベンソン&クレッグ、カンプス・デ・ルカ、フランチェスコ・スマルト、アルニス、チフォネリ、鈴木健次郎、A.カラチェニ、D.カラチェニ、ジャンニ・カンパーニャ、リベラーノ・リベラーノ、グイド・ボージ、アットリーニ、アントニオ・パニコ、コスタンティーノ、アンブロージ、ジョージクレバリー、ロンドンロブ、パリロブ、バリーニ、ジンターラ、ステファノ・ベーメル、ガット、マリーニ、イル・ミーチョ、スピーゴラ、etc.

プレタポルテ
ギーブス&ホークス、フランチェスコ・スマルト、アルニス、チフォネリ、ジャンニ・カンパーニャ、ダルクォーレ、etc.

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

 

プロのアマチュア?

こんにちは、Tango245です。
店主はかねがね、「プロは(プロの)アマチュアに勝てない」と思っております。もちろん野球やゴルファー等のアスリート、ミュージシャンや芸術家の世界ではプロの人の方が凄いです。ここでいうプロとは、そういった人ではなく、それに生計をそれによって生計を立てている人全般のことを指しております。生計を立てているわけですから、利益を上げるのが大前提であります。例えばレストランなら、家賃や給料を払い、仕入れを行い、それを調理し、お客様に食べていただいて、そこで得た利益から家族を養っていくわけであります。昨今はコンプライアンスがうるさすぎるので、過度に安心安全が求められます。当たったらアウトなので牡蠣は養殖、アニサキスがいたらまずいのでお刺身も冷凍になりがちです。人手不足に働き方改革、厚生年金の加入も頭がいたいです。料理作る前に疲れてしまいます。

一方、料理が趣味のいわゆるプロのアマチュアの人はどうでしょうか? 利益を上げるどころか大赤字たれ流し、そもそも利益とか原価とかそんなこと考えていません。食材を自ら取りに行ったり、道具も特注したり、いきなり別格の人に弟子入りしてしまったり、、、。アマチュアですのでとにかく攻めまくれます。別に牡蠣にあたってもアニサキスがいても、自分が苦しむだけで、逆に美味しい「笑いのネタ」にできます。

洋品の世界でも同様で、洋品は夢を売るわけですのでその台所は見たくないものです。ですが最近はその台所が透けて見えてしまいます。規模や資本効率を追求したために、売筋や販売価格から入り、素材や人件費が上がっている中でコストダウン、そういうのが製品になんとなく表れていて疲れます。あるサルトではその昔、生地を重ねて切った職人が解雇されたそうで、当時そのサルトで解雇された職人はそれまではその一人だったらしいですが、今なら重ねて切らないと全員クビかもしれませんし、すでに機械で自動裁断かもしれません。

昔は時々、いい意味で「アホちゃう?」っていうのがありました。ビンテージでも復刻でもなんでもないコットンのアロハの定価が28万円とか、パープルレーベルの定価16万のカシミアのシャツ、ボッテガの定価30万円のカシミアのパンツとか、なんでそんなに高い?」とびっくりしましたが、聞くと「この値段でも安い」と延々熱く語ってくれました。今はそんな価格は普通らしく、熱い話も聞くことはできません。

ということで本題ですが、当店はプロのアマチュアを目指します。プロの人が抱える、しがらみ等とは無縁の世界で、当店の強みを活かしながら、少量ずつですが「アホちゃう?」という商品をお届けする予定です。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

 

 

鳥肌が立ったジャケット

「止まらない雨が、恋が降らせた雨が、、」、こんにちは、Tango245です。久保田利伸、格が違いました。この流れで、年明けスキマスイッチ、山崎まさよしと行ってきます。

さて、現在店主が保有しているジャケットやスーツ、店舗と自宅にあるのが約100着、過去の断捨離で処分したのもそれぐらいあるとして約100着、合計200着ぐらい買った計算になります。試着のみで買わなかったのは、まあその何倍かあるかと思いますので、ざっくりですが1000着ぐらいは試着していますでしょうか。「いいかも」と思って、ちょっと手に取ったものはまたこの何倍ということになるかと思います。(少し盛っているかもしれませんが、30年強、スーツ着てますんで数はこなしております。)

実際に買った200着は「欲しい、買う」と思ったわけですし、今もある100着は、さらに「いい」と思っているわけですが、そのなかで「これは凄いな」と思っているのが20着ほどあり別格で、その、そのなかでも5着が別格中の別格で、その、その、そのなかで別格中の別格の別格(くどい)が1着あります。割と最近に購入した、61年製のアンダーソン&シェパードのジャケットであります。

61年製なので自分が誂えたものではありません。状態は超ミントで着用の形跡が見当たりません。半世紀以上眠っていたということになりますが、これ着た時、鳥肌が立って、その後涙が出て来ました。たかが洋服、ジャケット羽織って泣いているわけですから、本当に世話ないです。着心地とかはもちろんいいんですけど、なにかこう静かに包み込んでくれる感じが違うんです。「あんまり無理すんなよ」って。

個人的にはですが、フェラーリの「(車が)もっと踏んでみろ」と言ってくる感じ、ロールスのあの細いハンドルを回して遊びが無くなる一瞬に全てのメカの連動があの細いハンドルに戻ってくる感じと回すの止めた時に少し行き過ぎるタイムラグの感じ、アンリジャイエを口に含んで、口が閉じられず開けたまましばらく沈黙してしまう感じ、ジャンボさんの宮崎のフェニックスで大逆転優勝につながる十七番か十八番のロングで2オンした第二打のドローボールの弾道の感じ、長野オリンピックで金メダルを取った清水宏保選手のレース前の空気感、こう言ったものとどこか共通する感覚であります。

セビルローの仕立て屋といえば、ヘンリープール、ハンツマンと、このアンダーソン&シェパードが有名ですが、日本人的には、ハンツマンはどこかがっしりしすぎ、というイメージで、その対極にあるアンダーソン&シェパードに仕立てやすいイメージ、またヘンリープールには白洲次郎氏のお気に入りだったということもあり、憧れがあるかと思います。店主も、ヘンリープールとアンダーソン&シェパードでは仕立てております。(ハンツマンは当店にも数点ありますが、実際は意外と柔らかいものも多いようです。)

それでヘンリープールで仕立てたスーツには感動していまして、上述した別格中の別格の5着に属しています。ですがアンダーソン&シェパードで仕立てたスーツは残念ながら、その5着にも、また別格の20着には入っておりません。もちろん嫌いじゃないんですが、期待値が高かった点、また同時期にビスポークしたヘンリープールと比べてしまう点が影響してか、少し残念な結果となってしまっています。(個人の感想です。)

羽織って涙が出るようなジャケットなんて人生でそうそうあるものではありませんし、繰り返しですがたかが洋服、そんなんでいちいち泣いていたら泣き虫になってしまいますので、それは別格(の別格の別格)としても、モヤモヤ感があるのは、この61年製のジャケットと自分がビスポークしたスーツの間に共通したサムシングが感じられないことであります。例えばカンパーニャとカラチェニのスーツには、何となく同じ空気感が感じられると思います。そういう何となくでも同じ空気感みたいなものが、このアンダーソン&シェパードの二つには感じられないのであります。自分が仕立てたスーツの方が、(新しいですし多分高いですので)より魅力的であれば気にはならないと思うのですが、古い物、しかも61年製の方が魅力的であるわけですから、モヤモヤ感、ザワザワ感、「すれ違いは否めない」です。流行りなのか、断絶なのか、否定なのか、技術なのか、客で区別しているのか、、、。難しい問題です。まあバット長く持ってヤマ張って振り回していますので、ホームランもあれば凡打もあります。下手なのでバットも折りますし、ぶつけられることもあります。打席に立っている以上しょうがないですね。これからも「やれるだけ頑張って」みます。(森とか柳田はすごいですね。)

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

 

 

 

 

 

 

蘇る物欲?

こんにちは、Tango245です。
巷では冬のボーナスが過去最高を記録したとのことで、当店も前のめりで「ストレッチパワーが漲って」来ている矢先に、前回イタリア物に対して懐疑的なコメントを載せ、フランス物を推しておきながら、アルニスのアイコン的存在のネクタイと森の番人に弓を引いてしまうという、「一体お前は何をしたいのか」状態の店主であります。(なんやかんや言っても、当店の在庫のメインは、イタリア物ですし、フランスといえばアルニス、アルニスといえば一般的にはこの二つでしょうから、全部消してしまった感があります。)

少し落ち込んでいますが、一方で物欲は結構、蘇っております。先日も仕事で横浜まで行く用事がありましたので、少し足を伸ばし御殿場まで行ってまいりました。店主の場合、御殿場のメインは、ブリオーニボッテガ(双方ともイタリア物)で、それぞれ両端に位置しておりますので、歩くと大変ですが、駐車場を変えれば楽チンです。今回、ボッテガに見るべきものはなく(すみません)、30秒で退却、車でブリオーニに向かいました。途中、道がくねくねし「どこ行かせるんや」という感じで、また知らないうちにホテルが建設されていて、その近くもアウトレットが増床予定のようで、すごいことになっておりました。「大丈夫かなあ?」、「一泊するかなあ?」、まあそれはさておき現地では仕事を忘れ、完全に消費者目線であります。

それで一般的な人気はさることながら、当店ではチフォネリとともに一押しのブリオーニ、何とGジャンを勧められました。リーバイスの現行品の価格を知りませんが、多分10倍(ビンテージの数分の一かもしれませんが)は軽くしていると思います。店主は(自慢ですが)この年までGジャンを買ったことも着たこともありませんでした。ですがアウトレット価格でもまだ高いこのGジャン、買ってしまいました。自慢が一つ消えました。しかもメチャクチャ似合わないです。そもそも今まで着たたことないんですから着こなすのは無理です。ついでにセットアップ?のGパンも買っときましたよ。(別に迷ってないんですけど)「迷ったら二つ買え!」ですから。しかし、これセットアップで着たらもう即死ですね。うちの店潰れます。ブルージーンズメモリーということで、封印しておきます。「青い稲妻ぁ〜」。ただ、この手の買い方は物欲のリハビリとしてはいい流れが来ている感じです。

実はこれより欲しかったのは、CPOジャケットです。懐かしくないですか、CPOジャケット。ちょっと毛足の長いウールで、大柄のチェック柄で、裏地がボアのあいつです。確か小学生か中学生の頃でした。しかしこれも当時は着なかったです。今回、買おうかどうか迷ったんですが、これはやめておきました。「迷ったのに買わなかった」、物欲の完全回復はまだ先のようです。ちなみにCPOジャケットって最近のトレンドだそうです。

しかし、Gジャンと言い、CPOジャケットと言い、「これ振らせてやる」ていう感じでボールを投げてこられるのは、この年ではきついです。スタッフの皆様、年長者を敬いましょう。あとファラーのジーンズとかワラビーのブーツとかも、自分には無しでお願いします。この二つは死ぬまで知らないで生きていきますので。ちなみにこのGジャン、残念ながら?当店での販売予定はありません。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

 

 

フィッシュマウスで行きませんか?

こんにちは、Tango245です。
自分だけかもしれないのですが、このところクラシコ系、特にナポリ系の洋服がちょっともういいかな、と思うようになっています。季節なのか、年なのか、流行りなのかはわかりませんが、もう少しカチッとしたい感じなのかもしれません。

よく「企業の寿命は30年」と言いますが、思えばクラシコブームもすでに約30年、どこまでをクラシコイタリアというのかわかりませんが、キトンやボレリとかは協会を脱退しているようで、内情自体もどうなんでしょうか。ピッティのスナップも昔はフィレンツェの宮殿みたいなところで厳かに開催していて格好良かったですよね。今のピッティのスナップは、個人的には好きにはなれません。ああいう格好はできないです。もしどこかの子供があれ見て、「あの人達、なんでああいう格好しているの?」って聞こえるように喋ったら、、、。まあ値段も随分上がりましたし、そんなこんなで(自分は)少しもういいかな、なんて思っているのかもしれません。

実際、キトンとか、クルチアーニ?とか、今のような値段するのなら、イギリス物とかフランス物の方が、満足度高いような気もします。そういえば、アルマーニやベルサーチが少しイタくなってきたバブル末期の頃、ハンツマンとかが高すぎて無理だったところに、クラシコイタリアが2ノッチぐらい安い価格設定で入ってきたのでそっちに行ったようにも記憶しています。(まあリラもポンドもブレブレなのでなんとも言えませんが)

それで本題ですが、当時、行けなかったイギリス物でもいいのですが、フランス物はどうなんだろうか、と最近思っています。フランス物だと普通はエルメスですが、洋品は外注ですから、やはり王道は、今はないですけど「アルニスの一点買い、できれば(ほとんど出ないですけど)二階で縫われたビスポーク物」でしょうか。大昔、アローズの重松会長と、洋服とは全く関係のない別件でお会いさせていただいた際、洋服とは関係ないにもかかわらず、当方が勝手に悩んでアルニスのスーツ(吊るしです)を着て行き、いきなり「ほう、そういうの着てるんだ」と言っていただき、その後スムーズに話が進んだのを、もちろん先方は覚えていることはないと思いますが当方はよく覚えております。(やはり洋服は大事です。)

そんなアルニス、ジャケット、コートは雰囲気最高、Pコートとかのショート丈のコートなんかは感動ものであります。ロゴやタグもオーラがあります。ネクタイも、無地やレジメンタルのセッテは何ともいえないいい感じがあります。ですが、(別にここで書かなくてもいいのですが)あのアイコン的なプリント物のやつはどうなんでしょうか。何度か買ってみましたが、あれは正直わかりません(ああ、言ってしまいました)。あの良さがわからないようでは、、、とお叱りを受けそうですけど、赤ワインが苦手な人もいらっしゃるので、まあお許しください。それと個人的には不朽の名作と言われる「森の番人」も若干微妙です。外で着るコートとしてなら雰囲気ありますけど、ジャケットとしてならどうかな、と。(あれで教壇に立っていたわけですからジャケットですよね。)「黒板に書くとき腕を上げやすく、ネクタイがなくてもエレガント」ということらしいですが、個人的にはジャケットは脇口は小さい方がシルエットの面でも感触の面でも好きです。一度慣れると脇口大きいのは気になります。そもそもそこを小さくすることで電車のつり革で腕を上げても裾が袖口が上がらないはずだったのでは。つり革と黒板どう違うのか、と。またネクタイ好きの店主としては、アルニスに「ムッシュ、コルビジェ、ソルボンヌではネクタイをお締めください。できますれば当店の、、。」とかなんとか言って欲しかったような、です。

そんな細かい話はともかく、フィッシュマウスはお洒落です。ただフィッシュマウスってアルニスだけじゃなくて、元はと言えばカンプス、そこから独立したスマルトもそうで、フランス物全般のアイコンのような気もします。あとフランス物はフラワーホールが美しすぎます。ナポリ系のスミズーラもセビルロー系のビスポークでもほとんど見かけない細かいかがりを、チフォネリの既製品(当店なら7万円)でも出してくれているのは非常に満足度高いです。これやってるのはフランス物ぐらいで、昔のカラチェニのスミズーラでもここまでは美しくない気がします。神は細部に宿る、フランス物(と言ってもチフォネリの既成は多分カルーソですが)恐るべし、です。ということで、店主はこのところ、そしてここ当分は、アルニス軸にフランス物で流すことにしております。インスタグラムでは一足早く、フランス祭り、絶賛?開催中です。(ワインもやっぱりフランスですよね。フランスのラグビーも負けましたけど面白かったし)

ゆるい感じで書いたつもりですが、ナポリ系、ピッティ、アルニスのプリントネクタイに否定的なコメントになっているかもしれませんが、基本的には服は着物も含め全部好きで、気分がフランス物と言っているだけの単なる独り言とご容赦ください。またそう言った手前、クラシコ系の値引きもありますので、むしろ期待してご来店ください。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

 

 

これからファッション

こんにちは、Tango245です。
今回は、当店がリーチしていきたい第3のカテゴリー、「これからファション」のお客様に向けたメッセージです(届くのか?)。ご検討頂ければ幸いです。

こういう店やっているからいう訳ではありませんが、いい服着た方が絶対いいです。いい服は、いい人に会わせてくれ、いいところに連れて言ってくれ、人生にハリを与えてくれます。ですが紳士服は市場としては小さく、もっというと縮小しているような気がします。インスタグラムの「いいね」の数なんか見ても、男性の洋服村の住民は少ないです。グルメ村の方が圧倒的に多い。美味しいもの食べたいように、いい服着たい。本質は同じだと思うのですが、グルメ系は敷居が低く、評価見てそこに行って並べばだれでも食べることができる一方、ちょっとした服買うのは敷居が高いようです。いい服は高いだろうし、そんな店行くのも面倒だし入りにくいし、買ったとしてもいきなりそんな服着たら何言われるかわからないし、、、という感じでしょうか。店主なんかはその逆で、美味しいものは食べたいですが並んだり予約したりするのは面倒と考えるので、外食のほうが敷居は高いです。

一般に費用対効果は、対数曲線を描きます。はじめは少しの投資でもその効果は大きく、だんだんとその費用対効果は逓減して聞きます。男性のスキンケアなんかも、これまで何もしてきていない人は少しの投資で効果テキメンです。習熟度もそうで、ゴルフもある程度練習すれば100切れるようになりますし、誤った練習さえしなければ80台も出るようになります。マラソンもそうではないでしょうか。洋服も同じだと考えております。ある程度の投資と経験値である程度のレベルまで、簡単に行けます。

当店といたしましては、アホアホ路線は生命線なので継承する一方、洋服をもっと気軽に楽しんでもらいたいと思っており、そのエントリーの敷居を低くするべく、営業していきたいとも考えております。ロケーションは下町のはずれ、店舗もプレハブの二階、逆に入りにくいかもしれませんが、都会感で入りにくい感じはありません。また店主はこれまで無駄に着倒してきておりますので、洋服の守備範囲は広いです。何より価格につきまして、現行品は実店舗最安値でご提供しますので、品物がありさえすれば他のお店と比べる必要がありません。品物についても、一度お好み等お聞かせいただければ、頭に入れておきますので、出物があれば買っておきます。仮にその品物がお気に召さない場合は、お買い上げいただかなくても店頭で販売しますので何ら問題ありません。軽くお断りいただいて全く大丈夫です。これまでリードオンリーだったお客様、これから少しいい物を着てみようとお考えのお客様いらっしゃいましたら、自薦他薦問わずぜひお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

そろそろビスポーク(スーツ編)

こんにちはTango245です。
本日は、ビスポークをお考えのお客様にリーチさせていただきたく、ビスポークスーツについて書きます。靴のビスポークに比べると、スーツのビスポークは価格も少し安く、修正も効きやすいので、とっつきやすいと言えます。昔は現地まで何度か赴く必要がありましたが、最近は多くのサルトがトランクショーを東京でも開くようになり便利になりました。価格も現地価格とそれほど変わらず良心的(それでも結構するわけですが)なところもあります。 まだビスポークをされていないお客様、ぜひお試しいただければ、と思います。

ですが、仕立てやすくなった半面、選ぶのが大変になります。イギリスかイタリアか、イギリスなら白洲次郎氏を意識しヘンリープールか、キングスマンよろしくハンツマンか、日本人的になんとなくアンダーソン&シェパードか、イタリアものならミラノかローマかフィレンツェか、それともナポリか。いやどうせならフラワーホールが美しいパリまでいってしまうか、、、。贅沢な悩みではありますが大変です。

同じサルトでも、得意不得意は否めません。打ち込みの入った生地が得意だったり、リネンが下手だったり、ボタンホール上手かったり下手だったり、イカリ型に対応できなかったり、します。それとビスポークやスミズーラだからと言って、完璧にフィットする訳ではありません。三着同時に注文しても出来はまちまちだったりします。また既製品よりも体型の変化に敏感で、カバーしてくれる範囲は狭いです。体型が変わっても直せるのがオーダーの魅力、といいますが、昔と違い有料ですし、元値が高いのでお直しも結構高いです。作った方が絶対高いんですが、「新しく作った方が安い」とか言ってやんわりことわられたりします。

そんなこんなで楽しくも大変なスーツのビスポークですが、重宝するのが古着屋です。お店によってイギリス系、イタリア系、専門分野範が異なるかと思いますが、当店は節操やポリシーがないので守備範囲広いです。しかも袖丈短めのビスポーク中心でかなり前を守る強気の守備陣形です。言って見れば、イチロー、田口、本西時代のオリックスのような感じであります。在庫限りで売れてしまうとなくなりますが、今のところ厚みがあるのでまだ後ろ抜かれることはありません。イギリスでは御三家に加えて、映画「英国王のスピーチ」の主人公でウインザー公の兄のキング・ジョージ6世が贔屓にしたベンソン&クレッグ、セビルローストリート1丁目(その名もNO.1 Savile Row St.)のギーブス&ホークス、イタリアですと、グイドボージカラチェニ、コスタンティーノ、パニコ、マテウッチ、カンパーニャ等、そしてフランス物では、スマルト、カンプス、アルニス、チフォネリ等、結構、ご参考にしていただけると考えています。

一方でビスポークのユーズド品で体型にあって気に入ったの買ってしまうのも得策かと思います。肩周り胸周りと着丈があっていれば、袖丈や裾丈、すそ幅ぐらいなら直しても味は変わりませんし。実際1着ビスポークする値段で3-4着、場合によっては5-6着買えますので、ビスポーク1着分で結構揃っちゃったりします。もっというとイタリア物なんかはサルト本人が現役の頃のユーズド品、イギリス物も名カッッターがいた時代の物の方が現行品の新品より価値は高いと店主は(勝手にですが)思っていますので満足度も高いです。またやはりいい物は長く着れます。当店には60年代のアンダーソン&シェパードのデッドストックとかもありますが、めちゃくちゃ格好いいです。そんな感じで少しお過ごしになりつつ、なんとなく好みが固まった後、為替動向とかも考えながら、旅行も兼ねてオーダーされるのも一考かと存じます。

毎度クドくなっていますが、まあお気軽に当店にていろいろと羽織っていただき、何となくのイメージを固めていただければ、と考えております。また当店、生地も在庫していることもあり、来年は、前回の靴同様、スーツのビスポークも展開していく予定でいますので、よろしくお願いいたします。大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。

 

 

そろそろビスポーク(靴編)

こんにちは、Tango245です。
本日は、当店がリーチさせていただきたい二つ目のカテゴリー、「そろそろビスポーク」について書かせていただきます。ブログを始めた頃にも書いているのですが、店主は基本的にはですが、仮縫いがあり、出来上がった後でも修正はかなり可能で、かつ、数こなしているうちに勘所がわかって着て、確実に打率が上がるスーツのビスポークはお勧めしておりますが、靴のビスポークはあまりお勧めしておりません。理由は二つで、足型の問題と価格の高騰で、それはブログに書いておりますが、もう一つ、職人さんの問題もあります。

一般的に日本人の足型は甲高幅広です。欧米人の足型は甲も低く幅も狭いので、足型通り作ればだいたいそれで格好良くなるようになっているのですが、多くの日本人の場合は修正が必要です。ですが欧州の職人さんには医学的な修正のノウハウはありますがその甲高幅広の修正のノウハウがありませんので、修正は手探りで、その出来上がりにはリスクがあります。店主はロブでもクレバリーでもビスポークしていますが、どちらかというとどちらにも満足できておりません。本当は満足ではなく感動したいわけです。(ガットには感動しております)。で、無謀にもロブでもクレバリーでもやり直してもらいましたが、それでもダメでした。まあそれは自分の足型が悪いせいなので、店側のせいではありません。

また自分の足を紙の上に置いて「その輪郭を鮮明に」なぞって見て、そのカレーパンみたいな形が靴になると考えた場合、これに100万払えるかな、と思ってしまいます。よく「足型にあった最高の履き心地」と雑誌では書かれていて、それはそうかもしれませんが、甲高幅広の足型はどこまで行っても付きまとうので、そこを調整して作ってもらう場合、出来上がりが出来上がるまでわからず、その一方で待っている間に「完璧なものができるはず」という期待はどんどん膨らむので、結果として悲しい結末を迎える場合が多々あるわけであります。「ビスポーク靴、あるある」です。一足目はまずそうなります。2足目以降は、ここをこうして、とお願いするのですが、あんまりうまくいきません。それで一旦はビスポークから遠ざかるのですが、また期間を置いてお願いしてしまうわけです。なんとなく「今度はうまくいくんじゃないか?」と思ってしまうのですが、そんなことはあまりありません。あまり自分の口には合わなかったあの店のチャーハン、もしかしたら実は口に合うのかもしれないと思って、行ってみて頼むのですが、運ばれた瞬間に「やっぱり合わない」と思う、あの感じと同じです。もちろん足の形が欧米人のように細くて薄いお客様はこの限りではありません。実際、当店にお越し頂くお客様の中でも、そういう羨ましいお客様もいらっしゃり、そういうお客様は大丈夫だと思います。

もう一つは、職人さんの問題です。欧州の顧客は先祖代々注文しているので店との歴史があります。店を変えることはなく、注文もまとまった数を定期的にされます。一方で我々は、普通はなんとか頑張って最小ロットをお願いするわけです。定期的と言っても何年にか1度でしょうし、始めがロブなら次はクレバリー、その次はフォスター&サンと普通は変えたいですよね。そうなると、世界的に靴ブームの昨今、いい職人やいい素材は我々とお得意さん、どちらにまわりますでしょうか。またイタリアの小さい工房だとそうでもないかもしれませんが、イギリスの有名どころは、製作は結構アウトワーカーに流されます。一見さんの日本人の注文は、そちらに流される傾向がないとは言えませんでしょうか。ロンドンまで行って、高いお金払って、日本から修行に来ているアウトワーカーの日本人の職人さんに、作ってもらっているのかもしれません。だったら修行を積んで帰国して晴れて独立された職人さんにお願いした方が、、、と思ってしまいます。

ということで、店主は靴のビスポークについて、自分の足型で作った履き心地が最高でもカレーパンのような靴ができるのは勘弁なので、すでに出来ていてフォルムを確認できる状態で買いたいと思うわけであります。一番いいのはビスポークと同じかそれ以上のスペックで作ったサンプル品を買うか、足型が綺麗なお得意様のビスポークをデッドストック、あるいはそれに近い状態で手に入れるか、であります。サンプルはいわば顔なので手抜きはない(かつてのホンダのS2000の広報車のような)でしょうし、お得意さんにも手抜きはないと思うからです。履き心地はあきらめ(潔い!)、それよりも手仕事の職人技と既製品や一見さんにはまわらないグレードの高い素材を楽しむようにしております。お得意さんは、使用人がいたりして大事に手入れされていて、そもそも何十足、何百足も持っているので、一度も履かずに放置されていたり、履いても数回程度だったりします。価格にもおおらかな人もいるのでありがたいです。

当店ではそういった品をご用意しております。ある程度数が増えると全部を履くことはできなくなります。どうせ履かないなら自分のサイズである必要もなくなるため、サイズは気にせず、素材とフォルム、スペック重視で購入していた時期もありました(岸辺満的に凄い理屈です)。なので小さいサイズから大きいサイズまで幅広くあります。価格は程度とレア度にもよりますが、一部を除き、10万円弱から30万円ぐらいまででお出ししております。コークストリート時代のクレバリー、マリーニやステファノベーメル氏が現役バリバリだった頃の品もあります。基本的には既成のクリケットやロブの新品を意識して値段をつけております。今ビスポークするとどこもだいたい100万円は超えます。しかもいい素材は枯渇し、職人の腕も当時とは違います(個人の感想です)。仮にビスポークを注文されるにしても、こちらから入られてもよろしいかと思います。

それと当店、昔の芸術品のようなフォルムを持ち、かつスニーカーのような履き心地を両立させた、ドライブ感満載の別注品プロジェクトを進行させています。価格も相当頑張る予定であります。もう少し進めばご紹介させていただきますので、どうぞご期待ください。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。