そろそろビスポーク(靴編)

こんにちは、Tango245です。
本日は、当店がリーチさせていただきたい二つ目のカテゴリー、「そろそろビスポーク」について書かせていただきます。ブログを始めた頃にも書いているのですが、店主は基本的にはですが、仮縫いがあり、出来上がった後でも修正はかなり可能で、かつ、数こなしているうちに勘所がわかって着て、確実に打率が上がるスーツのビスポークはお勧めしておりますが、靴のビスポークはあまりお勧めしておりません。理由は二つで、足型の問題と価格の高騰で、それはブログに書いておりますが、もう一つ、職人さんの問題もあります。

一般的に日本人の足型は甲高幅広です。欧米人の足型は甲も低く幅も狭いので、足型通り作ればだいたいそれで格好良くなるようになっているのですが、多くの日本人の場合は修正が必要です。ですが欧州の職人さんには医学的な修正のノウハウはありますがその甲高幅広の修正のノウハウがありませんので、修正は手探りで、その出来上がりにはリスクがあります。店主はロブでもクレバリーでもビスポークしていますが、どちらかというとどちらにも満足できておりません。本当は満足ではなく感動したいわけです。(ガットには感動しております)。で、無謀にもロブでもクレバリーでもやり直してもらいましたが、それでもダメでした。まあそれは自分の足型が悪いせいなので、店側のせいではありません。

また自分の足を紙の上に置いて「その輪郭を鮮明に」なぞって見て、そのカレーパンみたいな形が靴になると考えた場合、これに100万払えるかな、と思ってしまいます。よく「足型にあった最高の履き心地」と雑誌では書かれていて、それはそうかもしれませんが、甲高幅広の足型はどこまで行っても付きまとうので、そこを調整して作ってもらう場合、出来上がりが出来上がるまでわからず、その一方で待っている間に「完璧なものができるはず」という期待はどんどん膨らむので、結果として悲しい結末を迎える場合が多々あるわけであります。「ビスポーク靴、あるある」です。一足目はまずそうなります。2足目以降は、ここをこうして、とお願いするのですが、あんまりうまくいきません。それで一旦はビスポークから遠ざかるのですが、また期間を置いてお願いしてしまうわけです。なんとなく「今度はうまくいくんじゃないか?」と思ってしまうのですが、そんなことはあまりありません。あまり自分の口には合わなかったあの店のチャーハン、もしかしたら実は口に合うのかもしれないと思って、行ってみて頼むのですが、運ばれた瞬間に「やっぱり合わない」と思う、あの感じと同じです。もちろん足の形が欧米人のように細くて薄いお客様はこの限りではありません。実際、当店にお越し頂くお客様の中でも、そういう羨ましいお客様もいらっしゃり、そういうお客様は大丈夫だと思います。

もう一つは、職人さんの問題です。欧州の顧客は先祖代々注文しているので店との歴史があります。店を変えることはなく、注文もまとまった数を定期的にされます。一方で我々は、普通はなんとか頑張って最小ロットをお願いするわけです。定期的と言っても何年にか1度でしょうし、始めがロブなら次はクレバリー、その次はフォスター&サンと普通は変えたいですよね。そうなると、世界的に靴ブームの昨今、いい職人やいい素材は我々とお得意さん、どちらにまわりますでしょうか。またイタリアの小さい工房だとそうでもないかもしれませんが、イギリスの有名どころは、製作は結構アウトワーカーに流されます。一見さんの日本人の注文は、そちらに流される傾向がないとは言えませんでしょうか。ロンドンまで行って、高いお金払って、日本から修行に来ているアウトワーカーの日本人の職人さんに、作ってもらっているのかもしれません。だったら修行を積んで帰国して晴れて独立された職人さんにお願いした方が、、、と思ってしまいます。

ということで、店主は靴のビスポークについて、自分の足型で作った履き心地が最高でもカレーパンのような靴ができるのは勘弁なので、すでに出来ていてフォルムを確認できる状態で買いたいと思うわけであります。一番いいのはビスポークと同じかそれ以上のスペックで作ったサンプル品を買うか、足型が綺麗なお得意様のビスポークをデッドストック、あるいはそれに近い状態で手に入れるか、であります。サンプルはいわば顔なので手抜きはない(かつてのホンダのS2000の広報車のような)でしょうし、お得意さんにも手抜きはないと思うからです。履き心地はあきらめ(潔い!)、それよりも手仕事の職人技と既製品や一見さんにはまわらないグレードの高い素材を楽しむようにしております。お得意さんは、使用人がいたりして大事に手入れされていて、そもそも何十足、何百足も持っているので、一度も履かずに放置されていたり、履いても数回程度だったりします。価格にもおおらかな人もいるのでありがたいです。

当店ではそういった品をご用意しております。ある程度数が増えると全部を履くことはできなくなります。どうせ履かないなら自分のサイズである必要もなくなるため、サイズは気にせず、素材とフォルム、スペック重視で購入していた時期もありました(岸辺満的に凄い理屈です)。なので小さいサイズから大きいサイズまで幅広くあります。価格は程度とレア度にもよりますが、一部を除き、10万円弱から30万円ぐらいまででお出ししております。コークストリート時代のクレバリー、マリーニやステファノベーメル氏が現役バリバリだった頃の品もあります。基本的には既成のクリケットやロブの新品を意識して値段をつけております。今ビスポークするとどこもだいたい100万円は超えます。しかもいい素材は枯渇し、職人の腕も当時とは違います(個人の感想です)。仮にビスポークを注文されるにしても、こちらから入られてもよろしいかと思います。

それと当店、昔の芸術品のようなフォルムを持ち、かつスニーカーのような履き心地を両立させた、ドライブ感満載の別注品プロジェクトを進行させています。価格も相当頑張る予定であります。もう少し進めばご紹介させていただきますので、どうぞご期待ください。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。