英国靴のビスポーク、ジョンロブとジョージクレバリー

こんにちは、tango245です。前回は靴のビスポークについて書かせていただきました。今回もその続きです。靴のビスポークには懐疑的と書きましたが、それでも10足ほどは過去にオーダーしております。足型の問題はいかんともしがたいのですが、当時は今のような価格ではありませんでしたし、最高の素材と縫製が欲しかったのが大きな理由でした。既製品ではやはり素材感が劣りますので。それと後述しますが過去にガットでのオーダーがうまくいっていたこともあり、「もしかしたら大丈夫かも」という期待もありました。加えて雑誌には、オーダーした顧客のラストは永久に保存されるとありました。これにはグラッときました。醜い甲高幅広の形とは言え、自分のラストがその店に永久に保存される。自分の息子や孫、さらには彼らの孫もロンドンで自分のラストを見ることができる、自分の足跡をならぬ足型を残せる、と大袈裟ですが、ここはやるしかない、と。

方針が決まれば店選びですが、画的にクレバリーとセントジェームズのロブ以外考えられなくすぐオーダー。ですが実は2足とも一度やり直してもらっています。クレバリーの方は、チゼルトゥが全然チゼルじゃなかったのでやり直してもらい、ジョンロブはストレートチップのトゥの大きさが小さすぎたのでやりなおしてもらいました。どちらも形をよくするために考えてもらったのが裏目に出てしまいました。何度やり直してもらったところで自分の足の形は変わらないのですが、なんとか頑張ってもらったのが写真の2点です。どちらも素材、縫製とも当時の最高水準、非常に軽くていい感じではあるのですが、シェイプだけはやはりイマイチかなと思っております。とはいえそれほどはカレーパン状態ではなく、履けるシェイプには仕上げてもらっておりますし、何より「自分の足型をロンドンに残す」目的は達成しましたので「引き分け」と思っておりました。(相手は自分です)

余談ですが、その後、「ラストの永久保存はなく10年程度で廃棄」という話も聞きました。その話が本当なら「引き分け」ではなく「負け」(相手は自分です)に近くなりますね。ということですみません、前回の「じゃあ靴はどうするんだ」の答えではなくなってしまいましたが、前振りということでお許しください。次回書かせていただきます。

大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もあるかもしれませんのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。