イタリア靴のスミズーラ(ガット)

こんにちはTango245です。ここ何回かで「靴のオーダーには懐疑的で、狙うならフルスペックのサンプルかビスポークのデッドストック品」と書いてきましたが、今回はその番外編を書かせていただきたいと思います。今はなきローマの名店ガットについてです。

今や多くの伝説や都市伝説が語られるガットですが、ガットを日本に紹介したのは、このブログでも少し紹介させていただいた、池田用品店でありました。6ハーフ/Cワイズ(あるいはBワイズ)ぐらいの黒のフルブローグが一足あったように記憶しております。当時は正統靴では英国のエドワードグリーン、ジョージクレバリー等が最高峰だと思われ、イタリア靴というとトッズのようなドライビングシューズのような形がイメージされていたためこれは新鮮な驚きで、実際ここからシルバノラタンジやボノーラ、ステファノベーメルといったイタリア靴ブームに広がっていきます。

というわけで池田用品店の店主にガットを紹介いただいた当店店主は、単身ローマまで赴き、イタリア語もしゃべれないまま身振り手振りでガットを4足注文(初回注文は4足だったので)してきました。オーダー靴に懐疑的な当店店主でしたが、形は気にせず、素材と縫製を楽しみ、一方で歴史に名を残そう?という意味で。仮縫いや調整等、4回ほど通いましたが、仮縫い用?に靴をダミーで作るのには驚きました。形は気にせずといいましたが、靴を細く見せるようにくれぐれも頼み、履き心地は二の次だと、ゼスチャーで伝えました。そんなこんなで出来上がってきたのが写真の2足を含む4足ですが予想に反しフォルムが非常に美しく感動いたしました。当時グッチのモカシンが流行っていたので、コンドッティ通りの本店?で一足買って帰りましたが、それを履くことはありませんでした。当店店主は靴のオーダーには懐疑的なのですがガットだけは例外だと考えております。結局もう2足注文し合計6足オーダーしたものの、今は3足が残るのみです。ですがそのうちの一足(ローファー)は試し履きのみ、黒のプレーントゥは試し履きもしていない全くの新品です。

そのガットも今は店を閉め、靴はもはや世の中に現存するのみです。減ることはあっても増えることはありません。コレクターの方は是非ご検討ください。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーを入れてお待ち申し上げます。

 

 

大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もあるかもしれませんのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。よろしくお願いいたします。