メルクーリオのブーツ

こんにちは、Tango245です。
店主が個人的に現役最高峰と思うシューメーカーはローマのメルクーリオで、彼が引退してしまうと、古き良き時代は終わってしまうと考えております。まあそのあとは、日本の職人さんの時代が来ると考えていて悲観はしておりませんが、それも技術的な話で、昔の革質を知っていると難しい問題は避けられません。実際昔のチャーチなんかも普通にいい革が使われておりましたし、その一方で現在は結構な雲上ブランドでも、「えっこんなもん?」と値段とのギャップに困惑ですが、そんなことを言ってもなるようにしかならないので、深く考えるのはとりあえずやめにしています。

ということでメルクーリオなのですが、当人はローマのガットやミラノのバリーニでも働いていたか、アウトワークを請けていたようです。当店に立ち寄ってくれた際、店にあるガットやバリーニを見て、「これは俺が作ったやつだ」とか話しておりました。

それで当店にあるメルクーリオ、かつては未使用品を中心に、なぜか10足近く在庫がありましたが、じわりじわりと減っていって、このところは未使用のハーフブーツが1足、履き込んだ茶色の内羽根が1足の計2足となっておりました。ハーフブーツはかなり完成度が高いのですが、オーダー主の甲が低いため、断念されるお客様も多く、ジャケットと違ってリフォームが効かないのは難点であります。

そんな中、写真のブーツが2足入荷しました。1足は超ミントコンディション、もう1足もミントコンディション、同じオーダー主の筋のいい物件で、しかもサイズ感が大きめ7.5ぐらいのゴールデンサイズであります。またもともとローマでは、短靴がガット、長靴がメルクーリオと言われているようで、そういう意味ではこのブーツ、ここのシグニチャーモデルとも言える品になります。同工房はイタリアの乗馬チームの御用達で、本来は膝下まである長靴等がローマではお約束なんでしょうけれど、我々にはそういうのはハードルが高すぎるので、このへんで勘弁しておいてやってください。現行のトリッカーズ、あるいはモード系のドルチェ&ガッバーナをお考えのお客様、こちらも強くお勧めいたします。古き良き時代を知る最後の靴職人の銘品がここにあります。ぜひ大人買い、色ち買いでよろしくお願いいたします。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらも読みいただければありがたいです。*コーヒーのご提供につきましてはコロナ蔓延を鑑み、現状自粛させていただいております。