ガチなパニコとガチなキトン

こんにちは、Tango245です。
このところ、委託にて逸品をお預かりさせていただいておりまして、先日インスタグラムにアップさせていただきました、ジョンロブのバロスに続きまして、アントニオ・パニコとキトンを3着ずつ大先輩からお預かりさせていただきました。バロスにつきましては、過去約30年、オーナー様に恵まれ、いい人生を過ごしてこれたようで、なんとも言えないエイジングが逸脱であります。まだまだ50年ぐらいは行けそうなので、是非ともどなたかに引き継いでいただければと存じます。サイズは8EEになります。

さてパニコとキトン、パニコの3着はもちろんなのですが、キトンの3着もビスポークであります。ブランドにもよりますが既製品とビスポークは割と違っていて、お寿司屋さんのマグロで言いますと、ランチのマグロと一品で握ってもらうマグロぐらい違うと店主は思っております。そして一品で握ってもらうマグロも、部位もさることながら、誰に握ってもらうのか等、お客さんによってかなり差が出てしまうと考えており、なので当店では、雲上サルトでも、どういう人がいつごろ、どのようにオーダーしたのかも出来る限りトレースし、より「当たり」の個体を追っかけているわけであります。もちろんそんな背景より是々非々でその個体の質が重要ですし、逆にパニコなら何でもいいとも言えるのかもしれませんが、我が方といたしましては、質につながる重要な部分の一つと考えていて、特にビスポークの場合は、そこまでこだわりたくなってしまうのであります。(たかが服なのですが)

そして本日ご紹介するパニコとキトン。どちらも「当たり」の個体でガチなビスポークです。パニコの3着は、グレー無地、ネイビーのストライプ、ほとんどホワイトながらライトブルーとグレーが少し入ったアイリッシュリネン、どれも製造が2000年前後で、採寸はパニコ氏本人が行っていて、仮縫い時も(眼光鋭かった)氏のチェックが入り、ダメならその場で職人が呼ばれ叱責される時期のもので、裏地の処理もフラシです。さらにこのグレー無地、フラワーホールが泣けます。「当たり」のパニコでもこの仕様はかなりレアで、このフラワーホールのためにローマかミラノに一度送っていると思われます。またこの1着、99年製ながら着用感がなく、奇跡の1着と言えます。

ネイビーストライプの着用頻度は一度で、その一度も、オーナー様がアルファロメオの新車発表記念パーティーでイタリアに招かれた時に着たのみとのことです。そしてその際、フィアットやアリタリア航空の元会長で、そしてジャンニ・アニエッリ氏のご子息とも噂される、ルカ・モンテゼーモロ氏から、「そのスーツは?」と肩に手を置かれ声をかけられたとのこと。稀代の洒落人の目にとまり、さらに手や息がかかったまま持ち帰った、同体保存の状態の逸品です。一方のアイリッシュリネンは、オーナーお気に入りの一品(やはりアイリッシュリネン、究極の3品目の一つです)だったようで、かなり着こまれ、世界を旅してきた風雪を感じます。着用感、やれ感はありますが、その分お安くお出しいただいておりますし、何よりその道のプロが使い込んだ逸品。味合うには最良の一品と思われます。

 

一方のキトンの3着もガチなビスポークで、通常の既製品とは一線を画す品々でして、写真の品は未使用のカシミヤのスーツになります。もちろんスーツでもですが、ジャケットにしてデニムに、またパンツ単品でコートに合わせる等、使い勝手のいい1着であると思います。と言うことで、突然ですが、ガチなパニコ、ガチなキトンをこの機会に是非ゲットしてしまって下さい。(サイズは50相当ですが、個人的には、サイズ関係なしで大丈夫です。)

 

 

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらも読みいただければありがたいです。*コーヒーのご提供につきましてはコロナ蔓延を鑑み、現状自粛させていただいております。