パ、パ、パ、パリじゃないの?

こんにちは、Tango245です。
少し前に、別のフランスの細いルートから「トランクショーやらないか」と持ち掛けられ、「うぉぉ~、いよいよ、故ダイアナ妃ご用達のバンドーム広場の某ホテルのスイート(長い)でトランクショーかぁ」、「ちょっと早い気もするけど、アルニスオールドイングランドももう無いから、もはやうちぐらいしかないからねぇ」、「ついでにロンドンとミラノも噛ましてくるか」と全快で前のめりになってしまったのですが、話を聞いていくとどうも様子が違うようで、「パ、パ、パ、パリじゃないの?」、「いや日本で」、「なんでうちが日本でトランクショーやるねん?」、「だから俺の贔屓のナポリのテーラー紹介するっていってるやろ」、「はあ?」。世界はまだ早かったようです。向こうの方が「はぁ?」だったかも知れません。

この前の「日本の職人さんと世界に出ていく」という、ジャンニ・ボルペの時のうちの話(物は今のところ無事に空路移動中のはずです)とは違ってくることもあり、一応「いいけど費用はどっち持ち?」と聞いて「そりゃあお前のところだろう」と来たので、「いやあコロナだし、円安やし、ちょっとなぁ」とか言ってお茶を濁しました。とはいえ費用をどちらが持ったにせよ、結局はどちらかの値段に含まれることになり、最終的にはあまり変わらないですし、せっかくの話なので少しずつ進めていくことになりました。

テーラーのことを聞くと、長年中堅どころのサルトに勤務した後独立し家族経営で仕立てを行っているようです。中堅とはいえ、奥が深いナポリです。まだ現物を見たことはないのですが、マニアックなそのフランス人が贔屓にしているわけなので、結構楽しみではあります。

ただうちは、「無駄にハンドにこだわっているので、100%ハンドで作ってもらわないと厳しい」ということを強調。このやりとりが結構大変で、生地の端の処理や、ズボンのポケットの袋等も含め、本当にミシンは使わないでくれと念を押すと、「いやいやそんなん意味がないだろう」、「いやいや意味がないことに意味があるんや」、「性能も落ちるやん」、「ええねん」、「なんで性能が落ちていいんや?」、「アホやから」、「初めに言えよ」、「言ってるやろ」、、、、。途中からは好意的に受け入れてくれましたが、こういうのが延々続きました。これがアメリカだったら多分通じないと思うのですが、フランス人やイタリア人は、(手抜きのリスクはあるものの)最後は関西弁が通じるところが楽しいところであります(個人の感想です)。

ということでまずはサンプルを作ろうとということになり、とはいえお互いの認識にかなりの温度差があるかもと思い、「一度サンプルのサンプルとして、ハウススタイルでいいからこの寸法で、ミシンで作ってくれない?」とお願いすると、「ハンドじゃないのか?」、「だからサンプルのサンプルで」、「?」、「前裁きだよ」、「??」、「ベータ版作ってバグ出しだよ」、「???」、「とりあえず、安くて早いだろ」、「そのあとでハンドでまたサンプルお願いするから」、、、とこれまた結構大変であります。まあそんなこんなで途中どうなるかもわかりませんが、楽しく進めていく予定です。またご報告しますので、よろしくお願いいたします。

 

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