アマチュアの守備範囲?

こんにちは、Tango245です。
このところ、職人さんと話す機会が増えております。店主は、散財の自負は多少はありますものの、アパレルの経験もなく、単なる消費者上がりで、洋服の基礎を俯瞰して知っているわけではありませんので、職人さんとお話しできるのは勉強になります。

お話してみて、「そうなんや」思うことは多々あり、その後あらためて商品に向き合って、バラしてみたりすると、「なるほどねえ」と感心したり、逆に超絶ブランドでも、「ええ、こここんなん?」というのもあります。店主は口が堅いので、そういうのは墓場まで持っていく所存ではありますものの、結構切なくなったりはいたします。まあこれもこのところのROE経営の弊害なんでしょうか。またそれとは別に、なかなか話がかみ合わないこともありまして、そういう時は、入り口の部分の「こういう風にしてほしい」、「そういう風には作らない」というお互いの感覚が影響しているように感じます。

また、あくまで一般論ですが、外国の人が味噌汁作ってもなんか違うように、直線的な着物のDNAがどこか刷り込まれているのかもしれない、あるいはどうしても細部に目がいってしまう日本の人が手がけたものは、洋服で必要とされる曲線的な作りや全体感が、頭でわかっていても寸法はあっていても、なかなかに難しい部分もあるかもしれません。イタリア人は型紙も起こさず適当に作っているようで出来上がりは決めてきたり、裏側グダグダ、ハンガーにかけるとヘロヘロなのに、着るとバシッと来たり、着るだけでは大したことなくても歩いたり風が吹いたりするといい感じになるのとはある意味対照的であります。(こちらもあくまで一般論です。)

ですが、そんなことは日本の職人の皆さんもすでに理解されているようですし、日本人は応用がうまいと言われます。「青は藍より出でて藍より青し」。店主は日本の高級ウイスキーを飲んだことがないのでわかりませんが、本場でも高い評価を受けているようですし、ビスポーク靴の世界もすでに始まっているのかもしれません。洋服に関してもここ数年でその評価がさらに大きく変わり、日本の職人さんの時代が来るのではないかと思う今日この頃であります。

問題は、「(頭ではわかっていても寸法はあっていても)なんか違う」をどう咀嚼していくか、だと思いますが、咀嚼できた職人さんから、マエストロの領域に入っている(いける)のだと思います。咀嚼の方法は人それぞれだと思いますが、ある意味、店主のように、これまで無駄に散財してきたアマチュアの守備範囲なのかもしれませんので、できる限りいいパスを出させていただきたいと思っております。また当店の別注品の打ち合わせにつきましても、妥協はせず、納得するまですり合わせていってより良いものに落とし込んでいければと考えております。目指すのは、風が吹いたときに絵になる洋品であります。風にも靡かない、一昔かふた昔前の理髪店のセットみたいなやつは、着ても気恥ずかしくなりますので、、、。すでにネクタイのサンプルはインスタグラムに上げております。それと、別件でかつ上段の話とは真逆ではありますが、当店在庫のイタリアの逸品をご紹介していく、イタリア祭りも近日開催いたしますのであわせてぜひよろしくお願いいたします。

なお大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。