物欲減退モードのお客様

こんにちは、Tango245です。
当店は過去に店主が買い集めた品を中心に、その偏りも含め他店にはない品揃えを目指し営業しております。勝手ながらイメージさせていただいているのは、1)物欲減退モードのお客様、2)そろそろビスポークのお客様 3)これからファッションのお客様、でございます。今回はその一番目の、物欲減退モードのお客様に向けて書かせていただきます。

物欲減退モードのお客様は、行くところまで行ってしまっていて、むしろ断捨離過程のレイヤーにいらっしゃるかと思います。通常、物欲と仕事の質(と量)は比例しますので、物欲の衰退はあまりよろしくありません。そのままの状態が続くと健康を害する恐れもあります。このところなんか調子が出ない? こう行った症状はサプリのプラセボ効果に頼るよりも物欲で改善するのが根本的な治療法です。(個人の考えです。)

問題はその物欲をどう呼び戻すかであります。このレイヤーにいらっしゃるお客様は、ただでさえ相当やりきってしまわれているので、昨今の価格の高騰と縫製や素材等品質の劣化に辟易されていらっしゃるのではないでしょうか。それも減退の理由かと思います。一方で家や職場には、昔買った品々が箱に入ったままの状態で積まれている。当店、そんなお客様には、当店のような店舗の開店をご提案しております。店主も開店前は買い物をしなくなっておりましたが、開業後クレジットカードの限度額を超える月がしばしば出てしまっています。仕入れではなく私物で、です。場所が空けば自然と買いたくなるものであります。「息継ぎするにはまず息吐かないと」、「浮きたければまず沈め」。ということで、そんなお客様には、(店の開業はともかくとしても)まずは前捌きとして、お手持ちをヤフオクやメルカリ等で減らされることをお勧めしております。多分気分が乗ってきます。(逸品はお売りにならないようにご注意下さい。)

それでも「それで何を買うのか、何かあるのか?」ですが、ここで最近のものに行くと結局繰り返しになります。少数精鋭でいく必要性があり、少数精鋭なら昔のものに勝てません。当店では、イタリア物ならグイドボージやガット、ステファノベーメル等、現在すでに閉店や逝去されたサルトや工房の逸品、イギリスやフランス物なら名カッターがいた頃のハンツマンやカンプス等のスーツやコークストリート時代のクレバリーの靴等を揃えていくことをご提案しております。これらの品々は当店にもいくつかありますが、今見ても古さはなく輝いて見えます。この辺りの品を気長に探しながら、程度のいいのは普段から着用し、デッドストックが出ればコレクションとして保有していく感じでいけば、物欲、ひいては仕事や健康にももう一段ハリと潤いが増してくるのでは、考えております。

さらに「究極の3品」として、古いビキューナのコートロシアンカーフの靴、そしてアイリッシュリネンのスーツをお勧めしております。こういった逸品は、ギブソンのバースト、アンリジャイエのワイン、ディノやガルウイングの300SLのようなある種宗教的な評価を受けるようになる、と店主は考えております。これらの品はもはやギターやワイン、車の値段ではなくなってしまっており、「究極の3品」もそのうちそうなるのでは、と勝手に考えております。今ならまだ「買える値段」です。「今のうちに」とお勧めしております。お孫さんの代、あるいはその次の代まで引き継いでいってください。またミラノの銘店ロレンツィーのワインケースエルメスの書斎セット油絵もお勧めしておりますが長くなりそうなので、これらについては次回に回します。

大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらこちらもお読みいただければありがたいです。