こんにちは、Tango245です。
先日、ポールセンスコーンについて海外での書き込みの一つをご紹介させていただきました。その書き込みを見るまでは、ポールセンスコーンへの知識も巷間言われているような話で固まってしまっておりましたので、事の真偽はともかくとしても、今回あらためて頭は柔らかくしておかないとだめだな、と感じた次第であります。
実は同じような話がもう一つありまして、パリロブのビスポークについてであります。店主はロブというと、セントジェームズのロブだろうと長年思っておりました。パリロブのビスポークを見たことがなかったというのが大きいのですが、見たことがないので勝手に決めつけていた部分がありました。というのはこれまでビスポークの靴のところで書いたことと若干矛盾するのですが、結局はパリロブのビスポークとはいえ、多くの人が既製品の型、例えばフィリップの木型(7000番?)を念頭に選ぶと思われ、その型をベースに細部を自分の足型に合わせるなら、完成されたそのフィリップの型を崩してしまうのでは、と。それなら7000番の型そのままで作ってもらったほうがいいじゃないか、と。だけどそれに120万(消費税だけで10万円)はきつくないか、と。だったら例えばプラス10~20万かで、革質とスペックをビスポーク水準に変えてもらえないものだろうか、だけど、、、、だったら、、、と見ていないことをいいことに勝手に思い込んで決めつけておりました。。
ですがその後パリロブのビスポークを何足か拝見する機会があり、それ以降はそれまでの考えをあらためました。ビスポークした人の足型の妙もあるとは思いますが、パリロブのビスポーク、素晴らしいです。もちろんセントジェームスのロブの評価が下がったわけではなく、ただ単に自分がパリのビスポークを見ていなかっただけで、恥ずかしながら初めて見た以降は、セントジェームスのロブに勝るとも劣らない水準だと思っております。
ご存知の方には、何を今更、で誠に恐縮ですし、そもそもそんなんでよく店やってるな、というご意見もあるかもしれませんが、何より素材が素晴らしいですよね。考えてみれば、エルメスグループなので世界最高水準の革が手に入るわけで、さらにビスポークとなるとどこにも負けないのは当たり前なんでしょうけど。シェイプもロンドンロブが少し無骨な感じがあるのに対し、パリはどこまでもエレガント。それでいてベルルッティやコルテと違ってあくまで伝統的なスタイルです。もちろんその人の足型からは逸脱はできないにしても、また多くの人が7000番の木型をベースに選ぶにしても、マージンの取り方が違うのでしょうか。色気が全然違うように感じます。革の確保と職人技、大資本と老舗の相乗効果が、ほかのブランドと違って、例外的に出ているのかもしれません。
素材の枯渇と職人の技術継承の困難さ、値段の高騰等もあり、ガット亡き後、自分がもう靴をビスポークすることはないだろうと思っておりましたが、チャンスがあればパリに行って4足ぐらい作ってみたいと思っております。
とベタ褒めしておりますが、当店にはビスポークのロブ、サイズを織り交ぜ、パリ、ロンドンともに何足かあります。ぜひご覧になってください。もちろんロンドンロブも最高です。ロイヤルワラントは伊達ではないのでこちらもよろしくお願いいたします。
大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらとこちら、こちらもお読みいただければありがたいです。