格好のいい靴(デッドストック)

こんにちはTango245です。前回前々回と靴のビスポークについて書かせていただきました。「スーツのオーダーは是非」と書きながら「靴のオーダーは(甲高幅広の足型の人には)あまりオススメしない」と書いていて、それでは「オーダーしたスーツにブランド名だけついたノーザンプトンのファクトリー物でお茶濁すのか」ということになります。見た目は弱いところが強調されてしまいますので、それだと文字通り足元を見られることになります。

それでまずは添付の写真をご覧ください。写真でどこまで伝わるかはわからないのですが、革においても縫製においても、そしてシェイプにおいても、前回のブログに添付した、クレバリーとロブの2足よりも1ノッチか2ノッチは違うかなと思います。この今回の2足が、店主の靴の結論的なものであります。

ちなみにこの2足は茶色がクレバリー、黒がフォスター&サンで、クレバリーは、店頭に合ったビスポークと同様に作ったフルスペックのサンプル品(余談ですが片方はロンドン、もう片方はニューヨークにあったものを購入しました。)、フォスター&サンは、ビスポークのデッドストック品を双方とも相応の値段で購入しました。

で何を言いたいかというと、一つは「ビスポーク水準で作られた完成品を購入する」ことだと思っております。これであれば素材や製造工程はビスポークと同様、実物を見て買えるので出来上がりのシェイプを心配することもなく、試着もできるわけですから、目的はほぼほぼ達成ということになります。

もう一つは「古いもの、できればデッドストック品を購入する」ことだと思っております。冒頭にも書きましたが、前回の2足と今回の2足は、現物をご覧いただくと質感の圧倒的な差をお感じいただけると思います。ジョージクレバリーの2足はメーカーが同じなので比べ易いと思いますが、どちらもビスポーク仕様なので革のグレードはその当時の最高水準のものを使用しているはずです。にもかかわらず、この差です。もはや良質な革は枯渇していると考えたほうがいいのかもしれません。(エルメスでは数年前にボックスカーフは取り扱っていないようです。)加えて言うと立体感も違います。もちろん店主の足の形の悪さによる部分が大きいのですが、土踏まずやトゥのシェイプ感がずいぶん違います。職人の熟練度も当時とは違うようです。

ガットは工房を閉め、バリーニは経営が変わり、シルバノラタンチ本人は引退、ステファノベーメルは逝去されております。できればご本人やブランドが現役バリバリだった頃の品がやっぱりいいのではないでしょうか。こういった品々、今なら現行品よりも数段安く買えます。現行品ではやはり満足されないお客様、是非当店にて古き良き時代のビスポーク品を見て見てください。

大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もあるかもしれませんのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。