在庫のサイズ、靴編

こんにちは、Tabgo245です。
本日は靴の在庫のサイズ感について書かせてください。スーツの場合はビスポークが多いので基本的には店主の体格がベースになっているわけですが、靴の場合はビスポーク派ではあるものの、自分の足形でのビスポークに懐疑的なので、自分の足型でオーダーしたのは、ガット、ロブ、クレバリー等の10足程度で、それよりも店頭のサンプルをそのまま購入するか、あるいはそのラストで新しく作ってもらう、何十足もオーダーしているような店の上顧客からこちらが気に入ったのを放出してもらう、というような購入方法が中心でありました。なので靴の在庫のサイズはビスポークなので表記はありませんがUK6からUK10ぐらいまで割と幅広くあります。

「既製品買った方が」というご意見もあるかと思いますが、既製品では仕上げと素材がワンノッチ劣っていると思うのでビスポークにこだわっておりました。一方でそのビスポークも万能ではなく、店主の場合、足型の問題もありますが、懸念していたのは、一見客にいきなり腕のいい職人が対応してくれるのか、という問題で、腕のいい職人にお願いするにはそれなりの実績が必要なのでは、と考えておりました。なので、すでに実物が出来上がっている、あるいは出来上がりに安心できるような購入にこだわっておりました。

昔のスーツと今のスーツでは同じサルトでも今のスーツの方が格好がいいのに、昔の靴と今の靴では同じ工房でも昔の靴の方が格好がいい、とよくお客様とのお話で出てまいります。当店にも20〜30年ぐらい前と見られるクレバリー10年ぐらい前に店主がオーダーしたクレバリーがありますが、見比べれば一目瞭然で、誰が見ても前者を選ぶと思います。素材の違いもありますが、何より作りが違います。スーツの世界より靴の世界の方が技術の継承がうまく行かなかったのかもしれません。

現状、百貨店でオーダーすると、(ダミーも作らず)一足100万円を超えているようです。一方で今はどの工房も人を多く抱え、昔のように親方に自ら作ってもらうことは困難でしょう。本物をお求めなら、程度がいい古いビスポークがいいと思います。今なら一足オーダーする価格で何足か買えると思います。

大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。