シニスカルキ、スカルピーノ、マテウッチ

こんにちはtango245です。
「カルロリーバ(Calro Riva)のシニスカルキ(Siniscalchi)、シモネゴダール(Simonnot Godard)のスカルピーノ(Scarpino)、カラチェニ(Caraceni)出身のマテウッチ(Matteucci)」興味のない人には意味不明の表題かもしれません。

前回、前々回と店主が「いつかはロンドン」、「いつかはイタリア」と憧れるきっかけとなった90年前後に出た雑誌をご紹介させていただいたわけですが、92年に初の渡英、その後も定期的に欧州に行くようになり、90年代後半は、年3,4回イタリアに出向き、スーツやコート、シャツ、靴のスミズーラ、それと美術館巡りとワインに明け暮れる時期を過ごしました。(美術品とワインについてはおいおい書かせていただきます。)余談ですが、当時は「モナリザ」や「最後の晩餐」も普通に見れましたし、ソライアはイタリアで3,000円で買えました。モナリザなんてルーブルでは注意していないと通りすぎてしまうぐらいの扱いで、「日本人しか見ない」などと言われてました。

90年台後半原宿に池田用品店という伝説の店があり、同店の店主から、イタリア主要都市の名店を教えていただき、時には彼の渡航に同伴させていただきもしました。ミラノのシニスカルキでオーダーしていたカルロリーバのシャツの仮縫いを済ませた後、レンタカーでビエラまで行きロロピアーナでカシミアの生地を買い、それをカラチェニから独立したローマのマテウッチに持ち込みスーツをオーダー、さらにガットではダミーで作った靴を試着、ナポリのロンドンハウスでシモネゴダールのシャツを採寸、ミラノに戻りバリーニで靴を引き取った後、最後にシニスカルキに戻り出来上がったシャツの仮縫いをチェック、というようなこと(順不同です)をよくやっていました。(これも余談ですが池田用品店の店主の運転は、イタリアのタクシーよりイタリア的で芸術的でありました。)

当時のサルトや工房はこれもまた非常に(いわゆる)イタリア的で、電話でオーダー品の完成を確認後、現地に行ってもまだできていないことは日常茶飯事で、いろんな言い訳をされたものです。単品のオーダーでそうなるとこちらとしても厳しいので、上記のように複数の品をオーダーすることでリスクヘッジをしておりました。中でもナポリのピロッツイ氏の言い訳は当時有名でありました。

それで本題ですが、イタリアを駆け巡っていた頃の、上記、ロロピアーナのカシミア100%の生地を使いマテウッチで誂えた3ピースとダブルのジャケット、カルロリーバの生地を使ったシニスカルキのシャツ、同じくカルロリーバやシモネゴダールの生地のスカルピーノのシャツの在庫あります。スカルピーノとはコスタンティーノが来日初期の頃、名乗っていたブランド名です。この当時の生地と縫製は今のものとかなり違いますので、ご興味あれば比べてみて下さい。マテウッチは他界、昔のカルロリーバやシモネゴダールはほぼ絶滅、ロロピアーナのカシミアは暴騰中であります。当店では当時の価格をベースに、希少性のプレミアムと程度のディスカウントを調整したタイムマシン価格で設定しております。ぜひご覧いただければと存じます。

大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もあるかもしれませんのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。