こんにちは、Tango245です。
最近は出不精で、徒歩圏内かメトロリンクの範囲以外、あまり出歩かない店主ですが、先日、原宿の、日本のクラシコイタリアの聖地「池田洋品店」があったビルの前を通りましたら、取り壊しなのでしょうか、ビルの入口が封鎖されていたように見えました。ちなみに中華だったはずの一階は美容院でそちらはまだ営業されているようでした。
ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットが出演する「オーシャンズシリーズ」のどれかで、二人が一仕事終えて、ラスベガスの夜景を見ながら、「あそこは昔〇〇で、あそこは〇〇で、、、」、「ラスベガスもずいぶん変わっちまったな」と昔を回想するシーンがあります。日本だと渋谷の街とかそうなんでしょうか。自分なんかは東横線の改札から銀座線(時々ブラックアウトしていました)まで階段上がって10秒の時代だったので、東横線が地下とか、桜木町の先まで行ってるとか、メトロと乗り入れてるとか言われてもピンとこず、駅で迷子になる感じなので、街など回想できる余裕がありません。オーシャンズは街が変わっても、ダーウィンの進化論のように、適応して生きているわけで、自分も絶滅しないよう街にくり出していかねばと思っております。
ところで自分はブラッド・ピットが結構好きでありまして(どうでもいんですがもう少し)、「スパイ・ゲーム」という映画を何度も見ています。陳腐でベタなタイトルですが、原題も同じです。その映画のロバート・レッドフォードがメチャメチャ良くて、さらに彼が乗っている緑のピカピカの911、林の緑と反射するのがまたいい感じなのであります。緑というと、昔銀座にこれもピカピカの緑のモンディアルが時々止まっていてビルの風景が綺麗に反射していて、自分の328は紺だったので、(これもダミーのダクトで反射が切り替わりいいんですが)次の車は「12発の緑」にすると決め、また映画の中の作戦名が「ディナー作戦」だったので、また大事な案件は「ディナー作戦」と呼び、それが厳しくなると「プランBで行こう」と言って方向転換を計る戦略を遂行して来ました。
渋谷とは関係ありませんが、紳士服の世界は、依然厳しいものがあります。みんなの憧れで教科書でもあったブルックスブラザーズが破産法申請、ストラスブルゴ(リデア)も民事再生法の適用を申請、バーニーズ新宿店も閉店とのことで、非常に残念です。サンモトヤマや、バーグドルフ、ニーマンマーカス、ルイスなんかも合わせると、心情的には上述のブラッド・ピットような感じです。景気、いいのか悪いのかよくわかりません(株価は高いですが)。
ですが幸い当店は古着屋で、効率とかとは無縁だった古き良きのんびりした時代のアイテムやみんなどうかしていた熱い時代の熱いアイテムを扱えるわけで、実際そうしているのですが、そんな商品とともに店で暇していると、暇なのになぜか元気になって参ります(プラセボです)。免疫力も確実にアップしてると思います。身体にいいことは何もしていませんが、区の健康診断もこの歳でほぼ全部が真ん中、総コレステロールは少し高いですが、善玉が悪玉を凌ぐ勢いで、逝くときはピンピンコロリで逝けるのではないかと期待しております。それで完全に手前味噌で、自分でいうのもなんなんですが、実はここ、パワースポットなんじゃないかと思っております。
例えばですが店内では「今度来たガット君達だね。ようこそ、僕達はヘンリープール」と社交的で人を不快にさせない英国紳士が爽やかな笑顔で新人を出迎えているはずで、「お仲間は何人か来ているけど知り合いだよね。そこでどうだろう、我々大英帝国のコーク通り時代のクレバリーを紹介させてくれないか」、「おおきに、そやけどその前にハンツマンかアンダーソン&シェパードに会えへん?」と、ここでは新人とはいえベテランですのでキッチリ切り返し、それを「ハンツマン組は撮影、アンダーソン? 彼らはもう帰ったんじゃないかな。昔の癖で閉めるのが早いのさ」、「あの辺りは、身内でも色々派閥あるからややこしいんだ」と耳打ちし、軽くいなしてこっち陣営に取り込みを図る、とお互い慣れた感じでドンパチしているんだと思います。
「パニコ達はおる?」、「パニーコと呼ばないと機嫌悪いよ」、「ええねん、俺らは」、「彼らはだいたい外でタバコ吸ってるよ。現役の後輩達が儲けてくれているので悠々年金生活らしい」、「それはどこともそうだろう」、「君のところは潔かったね」、「まあな」、「若いそいつらもそのうち来るんか」、「年金もらっておいてその言い草はないんじゃないかな」、「いやうちは閉めとるから」、「そうだった。すまない、謝るよ」。「こっちに来る、あいつ誰」、「コスタンティーノ。知ってるよね」、「知ってるけどナポリ弁はようわからん」、「そうなんだ」、「こんちは、コスタンティーノっス」、「タグはいつのよ?」、「スカルピーノっス」、「雰囲気あるやん。今の奴らどう?」、「聞くんっスか」。
「おフランス達は?」、「あの一角でいつも朝から店のワイン飲んでるよ」、「入口の空ビンの山、あれは彼らの仕業さ」、「飲んでええん?」、「見つからなければ」、「いやいや、見つかってるやろ」、「そのときは小人の仕業にでもするのさ」、「朝から飲んでええんか?」、「ロンドンでは酒は男の朝食なんだよ」、「ここは東京やないかい、彼らはパリやし」、「そうだった」、「今でも高いん?」、「今はそれほどでもないらしいよ。ナポリターノが凄まじく上がったからね」、「どうなん?」、「人によるね」。
「あそこで寝てるのドイツ人?」、「フロイデンブルグ隊の生き残り、いつも寝てるけど本気出したらメチャクチャすごいよ」、「まだいたん?」、「いるどころか全員集まったら師団規模らしいんだ」、「倉庫と自宅の警備も任されてるらしい」、「くれぐれも挨拶だけは忘れないほうがいいと思う」。「ロシアンカーフとかビキューナとかは?」、「基本的には別荘生活で、時々顔見せにやって来る感じ。隔離しておかないとみんな狙うから」、「そうやろな」、「美魔女のお姉さん達ならあそこで筋トレしてる。仕事はプロ、というもっぱらの噂。イタリア人、フランス人、国籍関係なく何人かは年金全部貢いでいるらしい」、「あんたらが一番行ってるんだろう」、「コメントは控えさせてもらうよ。でもいいんじゃないかな。元気でいられれば何よりだよ。財産残してもろくなことにはならないし」。
「ジャポネーゼはおらへんの」、「ショーグン明石の末裔との噂もあるチュージョー結城が何人か送り込んでいるらしいんだけど、わからないんだよ。僕らでも見分けがつかないし、僕ら以上に僕ららしいらしい」、「俺らが死んだらまずいな」、「そうなんだよ」、「今の若いやつらじゃな」、「そうなんだよ」。「その結城って野郎、どんな奴?」、「怠け者」、「一番厄介やな」、「そうなんだよ」、「早めに対処しておいたほうがええんちゃうか?5年もすれば全部やられるぞ」、「どうなんだろう、僕達は表向きは動けないからね。そういうのは君達の専門じゃないのかい」、「動けないんやなくて、動かないんやろ、あんたらは」、「それは想像にお任せしておくよ」、「そんな輩のことより、アニエッリの話を聞かせてくれないか」、「俺はゲンズブールの話が聞きたいんやけど」、、、。
と、みなさん、表情は好々爺でニコニコしていますが、そこは一世を風靡して来た一騎当千の精鋭で、一度引退したとはいえまだまだ現役バリバリ、スイッチが入ると職業病で勝手に諜報モード突入、国家機密も付き合いベースで共有し暗躍、さながらフォーサイスの小説、映画なら「RED」とその続編、細かく言うと「ミッションインポッシブル」のウィーン、もっと細かく言うと「ダブルチーム」のナバーナ広場のような様相を呈します。結果、この狭い店内に無駄な情報やエネルギーが溜まりに溜まって、ここがパワースポット化してしまっっているのではと思う次第です。そりゃあ健康にいいですよ、濃い源泉で熱量が違いますから。前向きにも明るくもなってしまうと思います。最近、ご気分がイマイチすぐれない皆様いらしゃいましたら、ぜひこの源泉垂れ流しのシャワーを浴びに来てみてくださいませ。症状軽ければすぐ治ると思います。(個人の感想ですし、結果的に医療費より高額になってしまう場合もありますので、計画的にご利用ください。一応処方箋は現金決済なので抑止力は聞かせているつもりですが、、、。)
大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらとこちらも読みいただければありがたいです。*コーヒーのご提供につきましてはコロナ蔓延を鑑み、現状自粛させていただいております。