別注シャツ受注会

こんにちは、Tango245です。
先月、プレ受注会を行った別注シャツですが、第1回、第2回の予定が決まりました。第1回目が21日の日曜日、第2回目が26日の金曜日になります。なんと月2回開催!しかも同じ週!強気です(納品もありますので)。予約制にはなりますが、冷やかしでも全く問題ありませんので、お気軽にお問い合わせくださいませ。今月は生地につきまして、定番の120双と160双の白無地に加え、在庫限りではありますが、海島綿のご用意があります。柄物にはなってしまいますが、ぜひお手にとって見てみてください。

「日本のスーツはハンガーにかけた時が最高!、イタリアのスーツは羽織って歩いて風が吹いて裾がなびいた時が最高!(長い)」とよく言われます。百貨店で日本のスーツが軍隊のように一糸乱れずハンガーに並んでいるのは壮観です。その方が売りやすいのでしょうけれど、同じ大きさのまっすぐなキュウリが箱に均一に入っているようで、「味は?」と思ってしまいます。意図も気持ちもわかりますが、「そっちかあ?」と、あまり嬉しくありません。

日本のシャツも同じで、先日久々に師匠から薫陶を受けてきたのですが、畳んだ時に日本のシャツはこうなるけどイタリアのシャツはこうなる、と。こっち(日本のシャツ)の方が畳んだ時の見た目はいいけど、それはこう作っているからで、だけどその結果、着心地はどうなん?、そもそも人間の身体は、、、と国産の某有名シャツと古いイタリアのシャツを比べながら、数箇所、違いを教えてもらいました。店主は日本のシャツはあまりもっていないのでわかっていなかったのですが、それでも時々日本のシャツを買って感じたあの違和感は、スーツでハンガーに掛けた時に映えるように作るあの流れかと、納得した次第です。

幕末か明治に洋服が入ってきたころは、洋服づくりも真摯に向き合って縫っていたんでしょうけれど、毎日毎日縫っていると、勝手な解釈も入るかもしれませんし、少し手を抜きたくなる日もあるかと思います。今日だけと思っても、気が付けば日常になっているのかもしれません。注文増えれば、生産性に目が行きますし、人気化すれば、お好きな人達だけでなく、いろいろな人とも付き合わないといけません。それで一転して、供給過剰に陥ると、売るのに工夫が必要で、一糸乱れぬ軍隊のようなスーツ群や畳んだ時に「ビシっ」と見えるシャツ、本切羽やお台場やボタンの厚さ、ボタンホールの色等のわかりやすいアイコン的ディテールが、着心地よりも重要なのかもしれません。時おり、いいの作ろうと思っても一旦染みついた身体は抜けられませんし、そもそもいいのがどうなっているということももうわからない。そんなこんなで、作る人も売る人も、そして買う人も複雑骨折していて、プロの世界は、なかなかに厄介な時代であります。

幸い当店は、プロのアマチュアですので、「ロットがぁ」とか「採算がぁ」とかあんまり関係ありません。変態の領域なので、幸か不幸か一般の人はあまり来てくれません(本当はもう少しお気軽に来ていただきたいですし大歓迎です)。せっかくですので、店にある、ほぼ絶滅した大昔仕様をベースにそれを軽く超えるという気合でやってもらっています。ちなみに師匠が指摘したそのシャツの箇所、帰ってうちのシャツを確認しましたが、キッチリ、昔のイタリアのシャツで仕上がっていました。元ネタが昔のイタリアのシャツですし、生産効率や畳んだ時の見た目なんかはもともと気にしていませんし、そもそもマニュエラさん(日本人です)が縫っているので、当たり前といえば当たり前で、言うと怒られそうですけれど、「着る専門」の店主としては、単純に嬉しかった次第です。

テレワークでは上半身の装いは大事かと思います。見た目はもちろんですが、これからは着心地がより重要な気がします。当店の別注品は、世界を狙う、日本のビジネスマンの皆様への強力サポートを目的に、具体的には100時間ぶっ通しで仕事ができることを目指し展開しております。とりわけシャツはお身体に直接触れますので、手抜きはできません。ぜひ手間のかかった仕様からくる動きやすさと手仕事にこだわった優しいシャツをご体感ください。価格は、モデル3(業界最高水準の手縫い量)が税前36,000円、タイプ2(ネジの外れた手縫い量)が同39,000円になります(一部生地は要アップチャージ)。

ブログ等でも書いていますが、現状、製作枚数が月4枚に限られています。ですがこの少量生産ですので、お客様の寸法を採寸させていただき、ご体型によってはダミーをお作りし対応いたします。また、採寸からカッティング、縫製に至るまでマニュエラさんの丸縫いはもちろんですが、検品、梱包まで、店主ではなくご本人が行いますので安心かつ安全、さらに洗練されています。ということで21日と26日はぜひよろしくお願いいたします。両日のご予約も大歓迎です。(写真の箱と紙はイメージです)

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらも読みいただければありがたいです。*コーヒーのご提供につきましてはコロナ蔓延を鑑み、現状自粛させていただいております。