ビスポーク仮縫い

こんにちは、Tango245です。
先日、当店の別注スーツのサンプルの仮縫いに行ってきました。スーツに関しましては、ちょっとしたリフォーム、まあまあリフォーム、がっつりリフォーム、全バラリフォーム等と、素人の立場をいいことに、職人さんには、あること、ないこと、言いたい放題で進めながら、バグ出しを行い、ようやくビスポークのサンプルまでこぎつけた次第です。職人さんも大変だとは思いますが、こちらもプロのアマチュア?、世界を驚かすような逸品を出そうと考えておりますので、妥協するわけにはいきません。ヨーロッパでのトランクショー開催を目指し、これからも突き詰めていく予定であります。

当店がスーツについて求めるものは、相手に対する好印象と自身の動きやすさや軽さなのですが、(少し違いますが)ここでは単純に好印象を格好良さと仮定しますと、この格好良さと動きやすさは基本的にはトレードオフの関係になるかと思います。格好良さを追求すると動きにくくなりますし、動きやすさを追求しますとダブついたフィルムになってしまいます。キングスマンのアクションシーンと会話のシーンで着用されるスーツははたして同一なのか、同一でCG無しなら結構動きにくいと思いますし、よく見ていると結構、襟が抜けていたりしてます。まあパロディ映画なんですけど。(毎度、個人の感想です)

で、各サルトとも、このトレードオフの関係を、カッティング、アイロンワーク、縫製、芯地、あるいは目の錯覚等を用いながらできる限り両立させていくわけなんですが、当店のような単なる古着屋が、これに一から取り組み、両立できるようなことではないので、別注靴同様に帰納法的アプローチで、すでにある巨匠の逸品を勉強させていただきました。結果として、60年代のアンダーソン&シェパード、比較的最近のヘンリープールをレスペクトすることになり、それらは意外とナポリ系に近いと書かせていただいたのもご案内の通りです。(当店の別注スーツ) 店主が言うのもはばかられますが、クレバリー御大とともに、ヒッチコック御大もさすがですね。まさに「神は細部に宿る」でしょうか。またヘンリープールのアレックス氏もセンスが抜群で、格好いいのを作ってくれます。ちなみに彼はかなりです。仮縫いにオークラに行った際、いきなり「おっ、XXか、この前はエビスだったな」と突っ込まれました。

それで本題ですが、全バラリフォームでは、かなりいい感触をつかめたというのはご案内の通りでありますが、今回の別注スーツのサンプルの仮縫いでは、前回の全バラリフォームで出た課題を解決すべく、再検討した型紙や芯地(これはまだ)をチェックし、更なるバグ出しを2回に分け、計3時間かけて行いました。それで今回の感触ですが、よりいい感じのシルエットとともに、かなり軽いスーツができそうです。着て軽いスーツといえば、有名なサルトリアさんが一軒いらっしゃいますが、どこまで迫れるか、楽しみであります(本音は超えたいと思っております)。 軽さについては、絶対的な軽さもさることながら、着て感じる軽さのほうが大事かと思っております。この辺りを突き詰めるべく、先日秤を購入し、まずは元データとなるジャケットの重さを現在片っ端からはかっています。何かしら見えてくると思いますので、ご報告いたします。

また全バラリフォームでは、意外と制約度の高かったパンツでしたが、今回は制約もなく、言い訳が効きません。前回に比べ、かなり動きやすく作ってもらっています。当店の別注パンツは、「とにもかくにもアイロンワーク」、「暇さえあればアイロンワーク」がモットーです。アイロンワークを省略するテーラーさんもあると聞きますが、各工程で念入りにかけてもらえるよう、お願いしてきました。ということで当店の別注ビスポークスーツ、今後、中縫い、補正を経て完成となりますが、今後も随時ご報告していきます。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらも読みいただければありがたいです