こんにちは、Tango245です。
先日、「ブリオーニのユーズドスーツを5万円で」で書かせていただきましたが、当店、商品のクリーニングには結構力を入れているつもりであります。例外もありますが、(風合い等が変わってしまうとしても)清潔感重視で水洗いを敢行しています。シルクのシャツやビキューナのコートとかは例外に入りません。
失敗も数多くしております。よくやるのはタグの表記を溶かしてしまうことであります。まあ基本的には溶かしてもいいのですが、痛かったのは1918年と1945年の軍物のオフィサーコートです。生地がメルトンですし、大丈夫だろうということで水洗いを敢行しまところ、やらかしてしまいました。双方、終戦の年の製造(ここがキモだったのですが)なので、物流等を考えると戦地までは行けていないと思われます。実際見た目はデッドストックです。水洗い中は、汚れもほとんど出ず、程度の良さを実感しましたが、タグの表記が溶けてしまったのは誤算でした。それでも一応写真はとっておりますので、価値は下がるとは思いますが、自己満足レベルはまあなんとかあるかと思っております。
もっと痛かったのは1962年製のカラチェニのスーツであります。見た目はそれほど汚れていませんでしたが、水につけますとさすがに50年以上も前の品ですので、結構汚れが出てきます。結局3回水洗いをして干してみるとびっくりであります。パンツが両足とも縫い目が解け縦に裂けています。「いやあ、さすがに手縫いは違うなあ」と、ここまでは余裕かましていたのですが、上着を見てびっくりです。裏地は破れ、まあそれもいいのですが、なんと袖丈、着丈がそれぞれ5cm以上、10cm近く縮んでしまっておりました。生地の状態でなく、製造後何十年も経つ品がここまで縮むとは大誤算でした。もちろんカラチェニのタグは溶けています。別に洗濯機を回したわけではなく、押し洗いとつけおき洗いにもかかわらずこうなるとは。やれやれ、、やれやれ、やれやれ、です。これ着れるのはアルマーニを着こなす泰明小学校の6年生の生徒さんぐらいかもしれません。折角ですので、とことんバラして勉強させてもらうことにしています。
実は、その後も別のカラチェニを水洗いしています。前回の轍を踏まえ、ぬるま湯の温度やつけおきの時間を調整し、、、。5cm以上とは言いませんけど、それでも2cmは縮みました。ヘンリープールやハンツマン、パニコやコスタンティーノはあんまり縮まないんですけど。なんでカラチェニだけそんなに縮むのかよくわかりません。
今回は失敗談として書いていますが、意外と上手くいくケースもあります。古いカシミアとかも水洗いをしてみると、結構いい感じに甦ったりします。寒い中、年末の大掃除とか頑張ると清々しい気分になりますが、ちょうどああいった感覚です。最近は色々と面倒なのか、クリーニング店も水洗いはなかなか受け付けてもらえず、何でもかんでもドライクリーニングですが、ドライクリーニングの工程をネットとかで見ますと、それがなんで綺麗になるのか、という疑問を持ってしまいます。そんなこんなで全くもって個人の感想ですが、水洗いはやめられません。
大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらとこちら、こちらもお読みいただければありがたいです。