スーツは飛び道具

こんにちは、tango245です。
先日、ある競技の日本代表選手にお越しいただけました。当たり前ですが、にわかではなく、本チャンのアスリートで、肉体は実戦とトレーニングで鍛え上げられております。スタンドで見ても目立つと思いますが、当店のような小さな空間、まじかで拝見すると、これまでの戦歴とも相まって、日本刀のような凄みが感じられました。ですが表情は温和で、偉ぶるところなどなく、清々しいナイスガイです。今後もできる限り現役を続けていただき、競技を引退した後は、別の分野でまた日本代表として活躍してほしいと思います。

もともと「大きなサイズの靴があれば」とのお話でしたが、帰り際、こちらもスーツのサイズ感を勉強させていただこうと思い、お願いして店内のビスポークのジャケットを何着か羽織っていただきました。ですが、その鍛え上げられた肉体に合うジャケットはなく、肩と袖で合わせると、胸やお腹が全く合いません。パニコもチャルディもカラチェニもヘンリープールもハンツマンもお手上げで、揃いも揃って完全に足を引っ張っています。店主にしてみると「おいおいお前らどうなっているんや、ちゃんと仕事せんかい」、「何が巨匠じゃ、誰が巨匠じゃ」という感じです。彼らにしてみると、普通の人が着ると実際に格好いいわけですから「セニョール、お言葉ながらこれは彼に仕立てたわけではないので、そこは、、、」ということになるのでしょうけど、こちらとしては、「言い訳はいらん。これだけいて誰も対応できないんか」という、ブラック企業特有の展開です。

まあセビルロウやナポリで仕立てる御仁は、傘を持った細身のノッポさんか、アタッシュケースをもって帽子をかぶったポッチャーリな人が多いイメージ(個人の感想です)なので、鍛え上げられた逆三角形の体型は、むしろ真逆の方向性ともいえます。このレベルまで来ると、スーツは多分、既製品でも厳しく、オーダーしかないんだろうなと思いつつ、その彫刻のような逆三角形の体型に合ったスーツはどれだけ格好いいのか、見てみたいと思うと同時に、そもそもスーツはその人の欠点を隠すものではないのか、とも感じたわけであります。

彼のような肉体の持ち主は特別で、それを手に入れるためには強い意志等々が必要で、通常はなかなか持続できることではありません。それでスーツ(ジャケット)はどちらかというと特別じゃない普通の人々を格好良く見せる「飛び道具」のような気がするのです。スーツ(ジャケット)はカッティングや目の錯覚を利用できますし、時にはパッドも入れて直接的に欠点をカバーできます。実際、補正がドンピシャにはまったジャケットを羽織ると見違えるように格好よく見えます。少なくとも、Tシャツやポロシャツ、セーターでは、体型の悪さはそこまでは隠せません。なのでとりあえずジャケットを羽織っておくのが、「○○喧嘩せず」でベターな選択になるような気がしております。ぜひ仕立ての良いジャケットを羽織られ、美味しいものを食べながら、いつもニコニコお過ごしくださいませ。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらこちらも読みいただければありがたいです。