こんにちは、Tango245です。
当店、少し前から別注品の企画を始め、日本の若い職人さんと世界を目指し、現在、スーツ、靴、ネクタイを展開させていただいております。当然シャツも出したいのですが、なかなかにこれが苦戦しております。スーツや靴の世界では、国内海外で、多くの日本人の職人の皆様が修行されており、すでに高い評価を受けられている職人さんもいらっしゃいますし、元々、手縫いの文化もあります。ですがシャツの場合は、ナポリのような手縫いの文化はないようで、日本では特にマシンメイドの大量生産品が主流のようなのであります。
別にマシンメイドが悪いと言うわけではないのですが、当店、「手縫い」と言う物作りに注力しており、そこに、雰囲気とともに、着やすさ、動きやすさの多くの部分を依存しているわけであります。それで、スーツを手縫いで展開している一方で、肌に直接触れる部分の、ある意味、着やすさ、動きやすさを、より重要視しなければならないはずのシャツがマシンメイドでいいのなら、スーツもミシンでいいじゃないか、となってしまいます。当然そんなことはありませんでして、手縫いのスーツの着心地が実際いいように、手縫いのシャツの着心地もスーツに勝るとも劣らない感じで違ってきます。
ですので、できれば別注スーツ同様、ミシンを一切使わない完全ハンドメイドも目指す一方で、どんなに日和っても、襟付け、袖付け、ボタンホールは手縫いで出したいと考えており、落とし所は20年以上前のロンバルディの上級グレードと考えております。ただ手縫いでシャツを作っていただける職人さんにはまだ巡り会えてない状況であります。
価格もネックです。シャツも、自宅で少しだけ気を付けて洗えば、洗濯機でも耐久性は20−30年いけると思います。実際、店主も20年以上着ているシャツもあります。月2回着用したとして年24回、20年以上なら通算500回、話半分としても200回以上着用している計算になりますが、まだまだ現役バリバリです。ですがこれは耐久性の問題で、実際は、トマトソースや赤ワイン等、日常生活には危険がいっぱいですので、そのリスクを考えると出せる金額には限度が出てくるかと思います。当店では、一枚5万円台がとりあえずの限度、実際は上述の落とし所のロンバルディグレードを3万円台で出したいと考えていて、仮に職人さんがいらっしゃっても値段的に合わないという構造問題も抱えております。
とはいえ我々世界を目指しておりますので、少しも諦めてはおらず、これからも職人さんを日本中、地の果てまで探し続けます。元ネタはこちらにありますのでスキルを持っていてさえくれれば物は出せると思っています。価格面も、世界をベースに考えれば、一枚10万円以上出せるお客様も数多くいらっしゃいますし、為替が1ドル150円とか180円になれば一気に採算に乗ってきますので、先行きは比較的ですが楽観的に考えております。(国内生産ですので為替変動しても国内価格はもちろん据え置きです。)
一方で当面、当店の別注スーツに合わせるプレーンなシャツをどうするか問題に対し、とりあえずは「キトン」かなと考えており、同ブランドの白とライトブルーのシャツをご提供しております。キトンというと、スーツ一声1着100万円、ビキューナのコートだと数百万円級の、もはや雲上価格のブランドですが、シャツはプレーンな無地モノでも6万円弱の価格設定(税前)となっています。高いは高いですがスーツ対比では、ちょっとお得感があり、そのうち価格改定あるかも、です。実際セカンドラインもある中、キトンのロゴがつくわけですから同ブランドのスーツに合わせるのを想定し、それに見合った生地や縫製がされています。ハンド比率も当然高く、昔のロンバルディーグレードとはいきませんが、それでも既製品では手縫い比率は現状で最高水準、一方で価格はギリセーフの水準に止まっており、別注シャツができるまではお勧めしております。直営の路面店でご購入いただいても構いませんし、当店もイタリアの細いルートから時々仕入れており、数は限られますが、3万円台でお出ししておりますので、ご検討頂ければ幸甚です。
大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらとこちらも読みいただければありがたいです。