56のスーツを44に、vol.1

こんにちは、Tango245です。
このところ別注品の展開を進めている当店ですが、今回はその中のスーツについて書きます。当店、別注スーツについては、ハンコックのような「(こだわりすぎて普通にしか見えない)ハウススタイルをお客様の寸法で」というのが基本的な考え方ですが、それとは別に、当店が「見える化できている」有名サルトのビスポークをレスペクトして、お客様のサイズに合わせてビスポークするというのと、お客様にとっては大きすぎるスーツを分解してお客様のサイズに作り直す、というのを行います。それで今回はその後者について書かせていただきます。

お客様とのお話の中で、「素材の質が落ちているよね」という話がよく出ます。麻とかはもちろんですが、カシミアなんかも今のは、トロトロ感に欠け、またどこか薄いというお話になります。それで店主も、新旧のドーメルの生地やカルロリーバのシャツをお見せし、「他も色々あるんですよね。結構痺れます」とお話しします。現行のカルロリーバとか硬くて2、3回洗ったら終わりそうですが、今は無きシモネゴダールの生地や、社長がフェラーリで営業していたと言われる頃のカルロリーバの生地って200回ぐらい洗ってもしっとりしなやかで、ピークはまだ先のように感じます。

それでリフォームの話になるわけであります。よくお聞きするのは、腕のいいお店も増えている反面、総じていうと時間と費用がかかったり、出来上がりが「う〜ん」と、なかなかうまくいかないことも多いとのことであります。

店主は素人ですので単純に考えてしまうのですが、リフォームといっても素材としてそのジャケットを渡しているというだけで、極端な話、全部バラせば、物理的に可能であれば、なんでもできるはずだろう、と思っています。ですが、そのジャケットをリフォームとして考えてしまうと、限界が出て「それはできない」と断られたり、それでも敢行すると各箇所の積み上げで費用が加算され値段がビスポークより張ってしまったり、逆にそれを避けると中途半端なリフォームとなり、満足感が得られないのではないかと考えております。中古車の整備でいうところの「部品工賃、部品工賃、、、で合計数10万円後半」となるか「(ほとんど触らず)安く上げときました」的な的な。

一般に仕立屋さんは、「全部バラして、、、」を嫌われます。まずやってくれません。「新しく作った方がいいですよ」と。でもこちらとしては「生地もう無いんですよ」と。確かに全部バラすのは手間かもしれません。ですが「全バラ」といっても「最悪全バラ」というだけの話で、(芯地のハ刺しとか)残せる部分もあると思いますし、(本切羽とか)使える部分もあるはずで、手間はトータルプラスマイナスでどうなのか、と。また仮に1着のスーツではトータルマイナスでも、10着受ければ、100着受ければ、大数の法則で落ち着くところに落ち着くのでは、さらにどこをバラすのが手間なのか、どこをバラすことが多くなるのか、使える部分はどこが多いのか、、、。畳3畳分のスプレッドシートのデータをもとにハッシュ関数で金額の落とし所を計算しました(ウソです)。

ということで、仕立て職人さんと交渉し、「全バラ」リフォームを始めることにしました。「直すところを直す」のではなく、「残せるところがあれば残す」というのが基本スタンスです。この考えで、物理的に可能であれば、お客様のご寸法でお作り直しいたします。価格につきましては、お問い合わせいただければと存じますが、箇所ごとの工賃ではなく、上述のように大数の法則で考えておりますし、そもそも当店の設定ですので、業界最低価格にはなっているかと思います。リフォームの際の選択肢に加えていただければ、と存じます。よろしくお願いいたします。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらも読みいただければありがたいです。