こんにちは、Tango245です。
突然ですが、若い職人の皆様、当店の在庫をお貸しいたします。当店、中央区でビンテージショップを営業しておりまして、店主が昔、直接誂えた、あるいは別に買い求めた、ビスポーク品を中心に販売をいたしております。スーツですとヘンリープールやカンプス、パニコ等の英仏伊のビスポーク物を、靴ですとクレバリーやフォスター&サン、パリロブ、あるいはガット、ステファノベーメル等のビスポーク物を、一部プレタポルテの品も含め、スーツで約100着、靴も50足ほど、それぞれ在庫しております。
お若い職人の皆様は、こういったビスポークの品にご興味はありませんでしょうか。すでにハウススタイルをお持ちで、確立されていらっしゃれば、我々が出る幕はありませんが、もし一度こういったものを俯瞰して研究してみたい、あるいは一つのサルトを時系列で追っかけてみたいとお考えの職人様がいらっしゃいましたら、当店の在庫をお貸ししようと考えております。もちろん無料ですし、分解されると困る品もありますが、分解していただいて構わない品も少なからずご用意しております。
こういった品は、昔の品の方が上質であるとよく言われ、当店にも、クレバリーではコークストリート時代の品、再スタートさせる93年の品、90年代後半の品、そして店主自身がビスポークした2000年代前半の品等をそれぞれ在庫しております。上記4点を比較すると、明らかに年月を遡るにつれて品質の良さを感じます。アンダーソン&シェパードやスマルト等のスーツも同様であります。
ジョージクレバリーがコークストリートの店舗を始めるのが1958年です。以降60年以上の歴史があります。弟子が代替わり毎に師匠の技術を継承し、努力によってさらなる高みに到達できていれば、そして同業者が切磋琢磨していれば、「昔の靴は素朴でいいね」とか「ある意味新しいよね」とかそう言った表現で昔の靴を語ることはあっても、現在のような絶対的な評価は受けていなかったと思います。
ではなぜ、技術の向上は止まってしまったのでしょうか。もはや昔のような美しいフォルムは再現できないのでしょうか。当店はそうは考えません。効率性や成長性の追求がそうさせてしまっただけで、日本の職人の皆さまでしたら、本家がもはや作れない昔の逸品を、再現どころか凌駕できる逸品を生み出せると考えております。
皆様のハウススタイルを否定しているわけではありません。ただ誠に僭越ではありますが、他の有名サルトを研究されてみて、得るものが少しでもあればプラスですし、何も得るものがなければ、逆にかなりの自信になるのでは、と考えている次第です。
当店には、数多くの逸品があると自負しており、一部では実際にそういうご評価をいただいております。ですが、当店のコンセプトはone and only、「売れれば終わり」の宿命にあります。今はまだここに多数集まっており、先ほどのクレバリーのように同一工房の品が時系列的に複数あることで相乗効果が出ている状況です。数が少なくなっていくうちに相乗効果はなくなり、最後は何も残りません。店主が気に入って購入したものがまた別の人に気に入っていただけるのは、非常にありがたいことですが、一つ、また一つとなくなってしまうことに一抹の寂しさを感じております。なのでこれらの品々のDNAみたいなものを何らかの形で残しておきたいと考えているところです。そういった品をお貸しすることで、その品のサムシングが若い職人の皆様に知識として吸収されるのであれば、店主も心置きなく、嫁がせることができます。ご興味お持ちいただける職人様いらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。よろしくお願いいたします。
取扱ブランド
ビスポーク
ヘンリープール、ハンツマン、アンダーソン&シェパード、トミーナッター、ギーブス&ホークス、ベンソン&クレッグ、カンプス・デ・ルカ、フランチェスコ・スマルト、アルニス、チフォネリ、鈴木健次郎、A.カラチェニ、D.カラチェニ、ジャンニ・カンパーニャ、リベラーノ・リベラーノ、グイド・ボージ、アットリーニ、アントニオ・パニコ、コスタンティーノ、アンブロージ、ジョージクレバリー、ロンドンロブ、パリロブ、バリーニ、ジンターラ、ステファノ・ベーメル、ガット、マリーニ、イル・ミーチョ、スピーゴラ、etc.
プレタポルテ
ギーブス&ホークス、フランチェスコ・スマルト、アルニス、チフォネリ、ジャンニ・カンパーニャ、ダルクォーレ、etc.
大変恐縮ではありますが、当店、クレジトカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。*当店につきましてはこちらとこちら、こちらもお読みいただければありがたいです。