こんにちは、Tango245です。
前回のブログでは、春夏物の商品についてご紹介させていただくところを、無謀にも秋冬物について書いてしまいました。ですが、それでも何件かお問い合わせをいただき、本当にありがとうございます。今回も思い切ってカシミア特集でも打とうかと一瞬思いましたがやめておきます。それで遅ればせながら春夏のポロシャツやシャツ、パンツを店頭に出したわけですが、当店にしては未使用品も思ったより多く、このブログに加え、インスタグラムでも順次ご紹介させていただきますので見ていただければありがたいです。ブランドといたしましては、ゼニア、ブリオーニ、ジョンスメドレー、チフォネッリ、ロエベ、ターンブルアッサー、パープルレーベルといったところが未使用品ではまとまってあり、サイズはシャツで38、39あたり、パンツは46、48あたりが中心で、価格もリーズナブルに設定させていただいていると思ってはいます。またユーズドでもよろしければかなりお安く出しているつもりです。
それで今回はシャツについて勝手なことを書かせてください。20年近く前、シニスカルキで生地を選んでいると、誰かの使用人らしき人が麻の白いシャツを10枚ぐらい抱えて修理に持ち込みに入ってきました。襟と袖を交換するのだそうですが、よく考えると、「何で一度に10枚(20枚かも)も修理に出すのか」と。しかも多分ですが全部同じシャツです。少なくとも麻の白いシャツというのは同じです。驚くべきは、それらを修理に出すわけですから実際に擦れるまでよく着こんでいるということです。それで(これが手持ちのすべてではないでしょうから)「一体何枚持っているんや。身体は一つやろう」と。で、どうしたらこのような状況が生まれるのかを考えました。多分ですが、本人は一日に何枚も同じシャツを着替えて(だから枚数がいる)、使用人がその都度洗濯してアイロンをビッチリかける(だから痛む)、ということなのかと思った次第です。なんかこれ、格好良くないですか?使用人を雇うことや1日に数回着替えるのは無理でも、そんな雰囲気、空気感は少し真似て、自己満足を味わうことはできると思っております。
その場合、もちろん主役は自分ですが、シャツ自体の役割は大きく、着心地のいいシャツが大前提になるかと思います。そもそも直接肌に触れる部分ですから、ある意味最も重要なアイテムで、スーツやコート以上に素材の質感や縫製が大事とも言えます。つくりもシンプルでごまかしが効かなく、いわば朝ごはんみたいなもの?でしょうか。
なのでできればいい物を身につけたいですが、マトゥッツォが10万円強、フライがほぼマシンメイドで5,6万円。消費税で国産のシャツが買える値段です。最も重要なアイテムと考えるならばこの価格も納得がいくかもしれませんが、長年着ていると襟や袖の擦れてきますし、スープやソースの汚れ等が付くリスクも大きく、スーツやコートより寿命は大幅に短いと思われます。そう考えると上記のような金額で揃えるのはちょっと厳しいかもしれません。
一方、国産のシャツもいいということなので、店主もアウトレット(定価じゃ買えない)で国産のセレクトショップ物(それでも1万円半ば)に時々手を出したりします。「日本人の体型に合わせて新しく型紙を起こし、、、、」。今度こそと思って買いますが、アウトレットだからかもしれませんが、今のところは後悔ばかりです。居酒屋で苦手なものを、もしかしたら美味しいかも、と注文してやっぱり苦手だった、というようなあの感じです。襟の合わない感じと脇のゴワゴワ感が、、、。まあ「昔のカルロリーバは、、、」とか「今のフライは、、、」とか言って、(値段の面もありますが)今のスミズーラでさえあまり評価していない人間が、普通の生地とマシンの縫製のシャツで満足できるわけはないわけですよね。
なので、サイズが合うお客様は、どうぞ当店の昔のデッドストックを大人買いしてやってください。フィノッロやシモネゴダールといった希少性のあるものを除けば、ターンブル&アッサーやシャルベ、アットリーニ、ゼニア、ブリオーニ等、未使用品を1−3万のタイムマシン価格で出しています。既製品ならネックさえ合えば問題ありませんし、もしそで丈が合えば、シニスカルキやコスタンティーノのバリバリのスミズーラがその値段で手に入ります。イニシャルが入っているものは痛いですが、セータ着ればわかりませんし、見えてもイタリア人のように子供みたいな適当な理由をつければ無問題です。それよりも着て得るものの方が大きいです。がっつり買い込めば、上述のような生活の背中が見えてきます。そしてお仕事頑張っていただき、店主を使用人としてお使いください。
大変恐縮ではありますが、当店は不定期営業で、また倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。またすでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話にてご連絡いただきますようお願いいたします。店主の予定がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。ナポリの名店マリネラを真似てコーヒーをご用意しお待ち申し上げます。よろしくお願いいたします。
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