捨てられなかった服、他にもありますか?

こんにちは、欧州の逸品を通して皆さまにハピネスを届けるビスポークの古着店、tango245です。

数年前Forza styleさんのご好意で「僕が捨てられない服」という企画で出してもらったことがあります。業界のお歴々が続々と銘品を紹介されるなか、街場の古着屋が出ていいのかという感じでしたが、店主も全力で中学2年(かれこれ50年前?)の時に買った久保田スラッガーのアンダーシャツ、DC(データセンターじゃないよ)ブームの時に買ったニコルやビギ、インポートが流行った時のアルマーニや少し後のドルチェ&ガッバーナ、そしてクラシコイタリア、、、と、散財と断捨離の荒波を潜り抜けてきたのを載せていただきました。

でそれを覚えていてくれているお客様(ありがとうございます)から、「自分も持っていた」、「ここにこだわって買った」、「自分も捨ててない」といったお話を頂戴したりすると、「ですよね」と局地的に大盛り上がりする店内であります。「他にないですか?」とも聞かれるのですが、もともと当店、店主の私物でスタートしましたので、開店当初はほとんどの商品が「僕が捨てなかった服」になるわけです。また当店に非売品はありません。古着屋である以上、これは売る、これは売らない、ではフィデューシャル・デューティーを満たせなくなってしまいます。なので店内にあるものは自分も含め全てが売り物になっております。逆に言うと開店後新しく仕入れた商品も「僕が捨てなかった服」と同義になります。

そんなこんなの「僕が捨てなかった服」ですが、せっかくですのでいくつか追加させていただきます。で今回は靴編です。一つ目はローマの工房マリーニのパンチドキャップトゥです。マリーニはフィアットの元会長でユベントスの元オーナー、そして稀代洒落者として知られるジャンニ・アニェッリ御用達の工房です。店主もイタリア車はマセラッティ430、アルファロメオ164クアドリフォリオ、ランチアテーマ832を色チ買いで2台、そして跳ね馬も328と456を乗り継いで来てますので、フィアットグループの総帥アニェッリには足を向けて寝れません。ということでマリーニはマストアイテムでありました。ところがなんですがこのマリーニ、個人の感想で恐縮なのですが、個体差が激しく、噂通りの雰囲気たっぷりの個体がある反面、「えっ?」という感じの個体も結構見ます。製作が年間50足といわれてましたので、品質のばらつきもないはず。なかなかに謎なわけです(いわゆる一つの「イタリア靴の謎」と呼んでいるやつです)。とは言えマストアイテムは外せるわけもないので、必殺サンプル作戦!工房にあるサンプルで自分のサイズで雰囲気のあるのを譲ってもらう作戦を遂行しローマに行くたびに立ち寄ってチャンスを伺い、苦節何回かで手に入れたのがこの個体です。店主にしては結構履き込みましてクラックも入ってきているのですが捨てない一足になってます。

2足目はBeppino・Rampinのフルブローグです。ローマに行った際、泊まるホテルはビジネスでは入りが大事なので奮発しますが、プライベートの場合は寝るだけなのでケチります。大体はテルミニ駅正面右サイドの安宿のどれかか、サンタンジェロ城近くのホテルに泊まっていました。前者の場合は、ガット、アンジェロ、マリーニ、ブリオーニ、ミコッチの順番で、後者の場合はその逆でまわります。それである時Gattoで「どこかにいい靴屋ありませんか」と聞いたところ教えてくれたのがBeppino・Rampinです。Gattoでどこかいい靴屋ないかと聞く自分も自分ですが、先方も笑っていたのでギリセーフとしておいてください。で場所を聞いたところ、まっすぐ行った突き当たりとのことで間違えることもなくたどり着いたのですが、趣きがGattoとは少し違いまして、店内もサンプルというより在庫の山という感じで、「おう、よお来たな!これ全部ワシが作ったんや!まあゆっくり見ていってくれや」とRampin氏。それでゆっくり見せてもらうんですが、やっぱりイタリア靴の謎というか、「???」というのが多いわけです。「うーん、手強いな」と周波数が下がる中、見つけたのがこの靴です。甲高幅広な作りなのですが、カレーパンとは対極なシェイプ。なんか靴が呼んでくれてます。「こ、こ、これ、ください」と購入しました。オールソールをするほど履き込みましたが捨てずに置いてあります。

3足目(と4足目)がベルルッティのビスポークです。80年代、オルガ期のものになります。個人的にベルルッティの靴は履いたことはないのですがアンディはカッコいいなと思っております。ですが現行品は40万円ぐらいするとのことで、しかもマッケイ。あれっグッドイヤーじゃなかったっけ?ってかなり前に変わったらしいですね。まあどっちでもいいんですけどマッケイに40万はなかなか痺れる展開、さすがLVMHです。ベルルッティはビスポークも受けているそうなのですが140~150万円程度との話もございます。マッケイに150万、当店ならカールフロイデンベルグ使ってハンドソーン、完全ホールカットで作っても、既製品のアンディ買えるほどお釣りが来ると思います。ベルルッティがLVMH入りするのが90年代なので、当店が追っかけるべきベルルッティは80年代、オルガが現役バリバリの頃のもので、しかもビスポーク!となるのでこの2足。なおかつ未使用品なので捨てるわけはありません。

ということで本題です。またまたForza styleさんのYouTubeで、歩く不適切(すみません)の諸澤さん、こじラグ谷中さんに加えて、編集長の干場さん、カメラマンの金村さんの超豪華メンバーが当店にお越しいただきました。アップロードはもうすぐですので、皆さま温かい目で一つよろしくお願いいたします。

大変恐縮ではありますが、当店、クレジットカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金かPayPayでの決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話、InstagramのDMにてご連絡いただきますようお願いいたします。先約がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。また当店につきましてはこちらとこちらも読みいただければありがたいです。