こんにちは、欧州の逸品を通して皆さまにハピネスを届けるビスポークの古着店、 tango245です。前回は当店の考える逸品についての説明で終わってしまいました。今回は本題に入ります。で表題のお答え、単純に言うと、「当店が考える逸品はビスポーク(の古着)に限られてしまう」からであります。理由は大きく2つあり、1)既製品よりビスポークの方が素材や作りが贅沢、2)現行のビスポークより昔のビスポークの方がクオリティが高い、点です。にも関わらず、現行のビスポーク価格はブランド品の価格と遜色はなく、さらに昔のビスポーク(の未使用品)は現行のビスポークに対しディスカウントの値付けとなってます。であるなら満足度は当然ビスポーク(の古着)に分があるのではないでしょうか。
話が前回に戻りますが、実はこのカールフロイデンベルグも昔はチャーチ等の既製品メーカーが普通に使用しておりました。なので素材という面では昔のチャーチとかでも(今と比べて)素晴らしい革質のものに出会えます。ですがそれでも銀座のお寿司屋さんでいうところの「ランチの握りのネタ」な訳であります。もし同じお寿司屋さんに夜も行ってランチと同じ種類を注文したとして、種類は同じマグロの赤身でも味はランチのとは違いますよね。革も天然素材です。個体差もありますし、一枚の革でも1番いいところとそうでないところはやはり違います。巨匠が作るビスポークの工房にはやはりいい革が流れ、そして上客にはいい部位が回ります。また店の中でも一見さんにはよほどのことがない限りいい部位はまわってきません。ビスポークで使われる革と既製品の革は、お寿司屋さんでいう、ランチセットのマグロと夜のお好みのマグロのように違うわけです。お客様にハピネスをお届けするのにランチで使うマグロを出すわけにはいきません。ですのでやはり一流工房のビスポーク、それもお得意さんが注文したものでないと当店としてはダメなのです。
また既製品メーカーは程度の差はあれ、量産が前提なので製造過程でマージンが確保されております。結果、(攻めてないので)なんとなくもっさりとした出来になってしまいます。単品でそれだけ見るとわからないかもしれませんが、例えばコークストリート時代のジョージクレバリーや当たりのアンダーソン&シェパードなんかと比べてしまうと一目瞭然で、「知らない方が良かった、知らない方が幸せだった」パターンの出来上がりです。
これも例えがおかしいかもしれませんが、昔、某国産自動車メーカーがスポーツカーを復刻?させました。聞いた話(違ったらすみません)ですが、この広報車の出来が素晴らしく、関係者が結構自腹で購入してしまったようなのです。で納車されてビックリ、「全然違うやん」と。実はこの広報車、部品の精度のバラつきを徹底的に合わせて作ってあり、バランスや吹上がりが最高だったらしいのです。それに感動して買ったはいいものの、納車された個体は通常の部品で組まれている為、精度が量産前提で許容され、関係者が感動したようなその広報車のレベルではなかったと。またこれには後日談があり(これも聞いた話です。違ったらすみません)、ある関係者はその広報車の味が忘れられず、その個体を買いに行ったそうです。ようやく探し当て購入してびっくり。「全然違うやんけ」。実はその広報車、メンテナンスで部品はすでにいくつか交換されており、当時の面影は残っていなかったそうです。
スーツや靴も既製品は概ね工場で作られます。そこで働く従業員でスーツや靴に興味を持っている人は実は少ないんじゃないかと店主は思ってます。スーツの出来もさることながら、それよりもその日の天気とか家のローンとかの心配や、両隣りや対面で働く同僚との会話の方が重要なんじゃないのかなと、です。
このように突き詰めていくと次第に既製品では飽き足らなくなります。一方で(おいおい書きますが)ビスポークはビスポークで、万人に優しいわけではなく、ふわっとしてるといいお客さん(悪い意味です)になってしまう痺れる世界です。これはこれでやっかいなのですが、そのうちコッチでないと効用が得られなくなってきます。効用が得られなければハピネスをお届けできなくなり(くどい)、ハピネスをお届けできなければ当店が存在する意味もなくなります。「たかが服、たかが靴」ではあるのですが、当店が販売するのはビスポーク(の古着)なのであります。
大変恐縮ではありますが、当店、クレジットカードに対応できておらず、もし何かお買い上げいただける場合は現金かPayPayでの決済となってしまいます。ご不便おかけいたしますがご容赦いただきますようお願い申し上げます。また不定期営業であり、倉庫や自宅にて保管し店舗にない商品もありますので、原則予約制とさせていただいております。すでにお買い上げいただいている場合もありますのでお手数おかけしますが、ご来店の際はメールか電話、InstagramのDMにてご連絡いただきますようお願いいたします。先約がなければ土曜日曜祝日を問わず、また夜間についてもご対応させていただきます。また当店につきましてはこちらとこちらも読みいただければありがたいです。
