Tango237~240、別注ネクタイ

絞めたいネクタイがないから自分で作ったというアンジェロ・フスコを目標に、握った時の「ギュッ」という感じと、ノットの収まり具合を追求し始めた、別注ネクタイでしたが、現在は次のステージを目指しています。

絞める機会少なくなってきている中、逆に必要もないのにそのネクタイを絞めたくなるような、それで必要もないのにスーツを着たくなるような、目指すのはそんなネクタイであります。

ネクタイの素材は芯地と生地と糸とタグで、芯地がなければ実質生地ということになります。あとは縫製なので、コストもシンプルなのですが、意外にコストがかかります。

生地は昨今値上がりが激しく、フォックスのフラノでさえ、1m1万円を軽く超えます。ネクタイの場合は、一般的にはシルクですのでそれ以上。用尺も、3パーツなら効率がいいですが、結び方によっては縫い目が見えてしまいますので2パーツは必須で、それを7ピエゲや12ピエゲ、あるいは14ピエゲで作りますと、通常の2~3倍の量が必要になります。

それを表地が無地で裏地が派手なストライプにしたり、天然の蚕から作ったシルクの糸をグレナディン機で織ってみたりと見た目も中身も凝った仕様で作っております。

縫製もミシンではなく手仕事ですし、そのハンドロールも、通常は閂止めあたりで止まりますが、当店の仕様はノットの方まで続きますので、縫製時間は5時間を軽く超えます。

これだけコストがかかったネクタイを品揃え店がまともに販売すれば、10万円を超えると思います。事実上他社では作れないと思いますので是非一度店頭にて見ていただければと存じます。