Tango228~231、別注スーツ

「100時間ぶっ通しで仕事ができるスーツ」。これが当店の目指す別注スーツのコンセプトです。羽織ることで、背筋が伸び、気分や集中力が高まり、イマジネーションが生まれ、無敵で、何でもできそうな気になる、それでいて着ていて疲れない、そんなまるで大きな麻に包まれたような空間の提供を目指しています。

グレードは3種類で、①パンツのポケットの袋まで手縫い、ロックミシンも使わない、完全ハンドメイド、②ハンドの方がいい場所はハンド、ミシンの方がいい場所はミシンを採り入れた、世の中的に言うところのフルハンド、③肩回りや襟等、キモの部分だけはハンドを死守したセミハンド、になります。

カラチェニもヘンリープールで修業していますし、アントニオ・パニコとヘンリープールもどこか共通のサムシングを感じます。そんなこともありジャケットやスーツは、ほぼほぼ60年代のロンドンで完成しているのではないか、と考えております。ファッション業界は、売るために、毎年少しずつどこかを変えて出すわけですが、そもそも完成している状況から、よりいいものを生み出そうとしても無理があり、結果的には少しずつ改悪させてしまっているのではないかと思います。そしてその改悪の振り子が振り切った時点で修正が入って、クラシックに回帰するという繰り返しなのかもしれません。

実際、店主が20年前に仕立てたジャケットは今でも古さ等は全くありませんし、雑誌のインタビュー等で、写っている大御所の写真、羽織っているジャケットは30年前のものであったりするのが少なからずあります。

であれば、60年代の味のあるスーツを朴訥に仕立てるのが基本かと思います。ですが昨今の株主資本主義は、収益重視で効率化を求めますので、昔の仕様は、本国でも難しくなっているように感じます。

幸い当店は古着屋で、題材となるスーツを多数在庫し、毎日接しております。また効率やコストダウンとは無縁の立ち位置にいますので、昔の逸品に一番近い立ち位置にいるのではないかと考えております。

また、サイズ54のスーツを44に変更する、これと同じに作る、等のご要望も最大限ご対応します。生地持ち込みも原則お受けしています。