Tango222~224、パティックフィリップ

98年、パリにて購入しています。物欲世代において、まだ携帯電話も普及していなかったこともあり、時計は最重要品目の一つありました。 ポートフィノ、コンステレーションあたりから始まり、サブマリーナ、レベルソ、バセロンと来て、最終目的地がカラトラバでありました。今は高級品は桁が一つか二つ違い、購入する意欲がなかなか湧きませんが、当時は頑張れば買える金額でありがたかったです。

ですが最終目的地のパティックは別格で、バセロンでいいんじゃないかと思って購入、もちろん十分なのですが、そのうち文字盤の押し出し感が気になり始め、気になりだすともう止まらなく、文字盤が華奢なパティックに結局行くことになります。

こういった遠回りが懐の深さを熟成し、人を成長させてくれるわけですが、IWCやオメガあたりも随分値上がりし、なかなか痺れる昨今ですので、サブマリーナとレベルソとパティックあたりが割と最短距離で、ポートフォリオ的にはいいのかもしれません(右は回り道をしたバセロン)。

レディースの2本は002年にリヨンで購入しました。とあるアンティーク時計店の店頭で、パティックのレディースとボーム&メルシェを見つけ、一応店内で見せてもらい値段を聞くと、思ったり安いので、若干不安にもなりましたが、店の構えがしっかりしていましたし、この大きさで贋作を作る方がコスト高と思い、何より個体に雰囲気があり、ディスカウントを「ノン、ムッシュ」と断られましたので購入しました。

手巻きのトラディショナルなタイプで、年配の人が付けても、お若い人が付けても雰囲気があります。とりわけお若い人に「服育」としてつけていただければと思っております。

リヨンには3日ほど滞在したのですが、食はもちろん、物価も安く、人も親切なのんびりしたいい街で、またアルプスやコートダジュールにも近く、住むならリヨンと当時思った街です。