Tango212、クリントのデニム Tango204でオールドイングランドを紹介させていただいておりますが、日本にもご紹介しておきたい銘店があります。自由が丘の「ピッティ・コレクション」であります。イメージの良さから家賃相場が高い一方、その集客力は意外と弱い自由が丘。10年続けば超一流と言われる中、彼の地で40年近く営業された孤高のショップであります。 オーナーの本城さんは、8 0年代から単身イタリアに渡り、飛び込みでパニコやピロッツィー、ミコッチ等を開拓、多くのクラシコブランドを日本に紹介されてきました。顧客名簿は3000人超、イタリアのマエストロも、何人かは足を向けては寝れないはずであります。 一方でご苦労も絶えなかったようで、イタリア中を歩き、サルトを発掘し日本に紹介、手間暇かけて育てても、人気が出ると、先方の性格が変わったり、大手品揃え店にさらわれたり、という繰り返しで、まさに「賽の河原の石積み」。店主なら2、3回続きますと止めてしまいますが、そこは「燃える闘魂」、熱量が違います。 現在品揃え店は、現地と直接やり取りされているところは少なく、多くは既に人気の出たブランドの、日本の代理店を通じての仕入れが中心と聞いていますし、直で開拓されていらっしゃるお店も、そのブランドが大手にさらわれるほど、有名になった話は最近はあまり聞きません。もうピッティのようなお店は出ないような気がしており、今更ながら日本の銘店、忘れてはいけないクラシコの聖地のような気がします。 このTango212は、そのピッティ・コレクションの別注品であります。CLINTと彫られていますが、その由来は、「結城君、やっぱりアメリカだよ、ア、メ、リ、カ! アメリカだからクリントイーストウッド!」らしいのですが、なんでアリゾナなのかはわかりません。 もちろん、made in Italy (クリントなのに)、それも某有名ジーンズメーカーと同じ工場でつくられた品(古き良き時代です)で、「501の、左足がよれてくるのと、太っといのが気に食わないので作った」という、501フリークのどこか逆を行くような、オーナーの気概満載の、熱いアイテムです。 サイズ44-50。年配のお客様はクラシコ黎明期の当時を今一度お感じいただければ、お若いお客様はかつて日本にあった銘店のそんな気概を体感していただければ幸甚です。折角ですので、この際大人買いで、2年ごとぐらいで1本ずつ下ろしていって、これは何年物、これは何年物と経年変化、また太った時用、痩せたとき用と、バーティカルなご準備等も大歓迎です。かつてあった日本のクラシコの聖地、ぜひとも風化させることなく、ご子息に語り継いでいっていただきたく、よろしくお願いいたします。紙つきのデッドストックです。