Tango142~147、カルロリーバ 当店では、既にクローゼットの中に逸品が溢れているお客様に、究極の3品として、ビキューナのコート、ロシアンカーフの靴、アイリッシュリネンのスーツをご提案させていただいております。 この3品に勝るとも劣らない、4品目がカルロリーバのビンテージシルクでつくるパジャマであります。カルロリーバは、昨今、巷で都市伝説化の様相を呈しておりますが、同社の社長が、フェラーリで自ら営業していた頃のカルロリーバを知っていて、今もそれを着ている店主としましては、モヤモヤしたものを感じております。そんな中、カルロリーバのビンテージの生地があるとご紹介を受けお邪魔したところ、なんとシルク素材でありました。 一瞬、コットンだったら、とも思いましたが、この身体が溶けそうな肌触り、もはやこのままお迎えが来ても本望な気分で、一瞬、シルクと怯んだ自分の小ささに、まだまだ精進が足りないと思う今日この頃であります。とはいえ値段を考えると、動悸が止まらず、なかなか聞けませんでしたが、お出しいただける分はすべて回していただきました。 とはいえ、これでシャツを作るとなると、2m以上必要で、原価だけでも吊るしのスーツの値段を軽く超えてしまいます。トマトソース等で一発退場のリスクを考えると自分も怯みます。とはいえ肌触りがウリですのでチーフとかを量産しても意味がなく、どうしたものかと思案し、ここは下着とセットのパジャマとかどうかと考えております。まあそうなると4m以上必要になり、スーツをビスポークするような領域に突入してしまいますが、どうせ作るなら、と思いますし、パジャマならトマトソースのリスクはなくなりますし、細かいことは気にしない男前なお客様いらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願いいたします。 このパジャマがあれば、睡眠負債も一気に解消、一日のうち8時間は、アニエッリの気分に浸れます。