Tango119~121、ボッテガ・ベネタのスーツ

前衛的なデザインが多いボッテガ・ベネタの衣料品ですが、シャツストライプの袖の裏地やボタンフライのパンツ等が採用された、トラディショナルなスーツ類を出している時期がありました。この3品はそういった時期の品になります。

119は未使用のブラックのカシミアのセットアップ。当時の定価がパンツで30万円でした。聞けばこのカシミアが本気だそうで、これでも良心的な価格設定と店員は熱く力説していました。ジャケットはダブルですが極めて通常のシルエット、パンツは裾幅が広いですが、そこを修正すれば違和感なく着用出来ます。

120は遠目に見れば、何の変哲もない紺のスーツですが、寄って見ると独特の雰囲気で、シルク素材でありながらシャリ感はなく、ビンテージリネンのような鈍い光沢感が凄みを、太目のシャツストライプの裏地が上品さを醸し出してくれています。121はストレッチ素材を採用する等、少しモード系に振っていますが、ビジネスでも着用できる範囲内で、クラシコとは違った、程良い抜け感のリラックスできる一品です。

店主は、ボッテガ・べネタをドルチェ&ガッバーナと共にデザイナーズ界のピカソと呼んでいます。通常はキュビミズムでも描こうと思えば何でも書ける、前衛的でありながらクラシックも出せる、そんなところが個人的に被っています