Tango111~115 、コスタンティーノ

かつての日本の銘店、池田洋品店が、ナポリから連れてきたフィッターのコスタンティーノ氏。持ち前の頭の良さととぼけた風貌で、日本市場を席巻していきました。

店主も、20着以上はオーダーしているかと思います。アイリッシュリネンやビキューナ等のレアな生地も多数保有しておりました。

この前まで若手だった彼も、いまや巨匠の領域で、彼の息子もサルトになるべく修業中であります。

コスタンティーノ氏自身はフィッターで実際ジャケットを縫っていたのがフェリーチェ・ビゾーネという職人で、パニコと幼馴染と言われています。ナポリではチャルディ氏やフォルモサ氏が既に他界しており、一つの時代が終わろうとしております。いろいろありましたが熱量のあるいい時代でした。ピロッツィ氏やパニコ氏には少しでも長くお元気で頑張っていただきたいと思います。

Tango112はネイビーのフラノ、チョークストライプのダブルです。誰もが作りたい仕様で仕立てました。Tango113はスーパー220で仕立てた3ピース。用尺が足りない中、技術と経験で3ピースにしていただいた渾身の1着です。Tango114はお約束のバーズアイの3ピース、Tango115はコットンの3ピース、擦り切れてもアジで着続けられる仕様なので、いい時代を引き継いでいっていただきたいです。

フェリーチェ渾身と言えば、もう1着、グレナディンシルクの未使用ジャケット(111)があります。グレナディンは機械自体がほぼ絶滅状態なので、もはや出てこない未使用の1着です。