Tango064~065、サルトリア・イプシロン

「やじろべえ理論」で究極の軽さと着心地を提供してくれる、サルトリア・イプシロンですが、この品(Tango064)は、工房がまだミラノにあり、時折ニューオータニでトランクショーを行っていた頃に注文したスーツで、かれこれ30年近く前の品になるかと思います。その後、日本に戻られ日本橋三越にて店舗を構えられたころに、一度仕立て直してもらっています。

今でこそ、若い多くの職人が海外で修業を積まれ、日本のみならず現地でも活躍されていますが、その先駆けとなったのがここのオーナーの船橋さんで、70年代後半に欧州に渡り、カラチェニで修業後独立、巨匠フェデリコ・フェリーニの服を仕立てる等、腕一本で後続の道筋を切り開いてくれました。

ぜひこのイプシロンのスーツを纏って、「甘い生活」や「ローマ」を見ていただき、マルチェロ・マストロヤンニになった気分で、このどうしようもなく退廃してしまった浮世とマトリックスの世界をお彷徨いくださいませ。

Tango065は、三越時代に仕立ててもらった、ハリソンズの麻のスーツです。似合いもしないのに無駄に麻のスーツを仕立ててしまう店主ですが、やり過ぎ感の出ないのを、と選んでもらったのがこの生地です。本当に究極の軽さと着心地を提供してくれています。