Tango045~048、トミー・ナッター

トミー・ナッターと言えば、我々世代だとビートルズの名盤アビーロードのジャケットやビルの屋上でのゲットバック等のゲリラライブがお約束の条件反射ですが、お若い方だと服好きのお客様でもご存じない人が多く、「じゃあビートルズは」と聞くと、「名前は聞いたことある」という感じで、時代を感じてしまう今日この頃であります。

とはいえトミー・ナッターはご存じなくても、ティモシー・エベレストやオズワルド・ボーディング、リチャード・ジェームズはご存じのようで、その繋がりで言いますと、彼らの師匠がこのトミー・ナッターで、同僚だったエドワード・セクストンと組み69年に、ナッターズ・オブ・セビルロウを開店。保守的な英国紳士服業界に風を吹き込み、ビートルズを始め、ミック・ジャガーやエルトン・ジョン、といってもわからないかもしれませんが、多くのミュージシャンから絶大な人気を獲得。ティモシーエベレスト達が学んだのがその彼の晩年となるわけです。

彼はその後、ビスポークでの成功に飽き足らず、既製品市場に打って出るので、トミー・ナッターの織ネームが付くほとんどのスーツは既製品になるのですが、当時縫われたビスポークのスーツも、時々ですが市場に出回ります。製作は70~80年代前半になりますので40~50年前、当然状態がいいのは少ないのですが、当店の5着はミントコンディションが多くコレクションとしても貴重ですし、またスタイルも今着て古さを感じさせませんので、着倒していただいても大丈夫であります。ビートルズマニアのお客様もぜひよろしくお願いいたします。アイリッシュリネン、カシミアをそれぞれ在庫しています。