Tango010~011、ニコラス・タックセック

店主は究極の3品として、ロシアンカーフ、アイリッシュリネン、ビキューナを上げていますが、そのロシアンカーフを数多く保有していたのがクレバリーで、また店主が選ぶビジネスシューズの2足も、ガットとコークストリート時代のジョージ・クレバリーであります。

そのジョージ・クレバリーご本人が40年在籍していたのが、ニコラス・タックセックであります。タック・セックの設立は1853年。ナポレオン3世がフランス皇帝になる年が1852年、日本では江戸末期のペリー来航が1853年であります。その後1970年にジョンロブに買収されるまでの100年超、英国ビスポークシューズ界を牽引する孤高の工房でありました。

同社はその長い歴史の中で、何度か移転をしており、買収される頃はジャーミンストリート、その前の60年超は、クリフォードストリート(その間15B から17に一度移転)に居を構えており、当店のこの二品は、そのジャーミンストリート時代とクリフォードストリート時代の品であります。

履ける状態の品も少ない中、2品とも少し履かれてはいるものの、まだまだ現役でもやっていけそうです。クリフォードストリートの品はオリジナルのシューツリーも付属しております。全オーナーは同一人物ではありませんがほぼ同じサイズなので、2品ともどなたかに引き継いでいただき、1品はご自身でお履きになられ、もう1品は後世にお残しいただければありがたいです。