別注パンツ
スーツやジャケットと同様に、パンツに求められるものは、フォルムが綺麗であることと、動きやすいことではないかと思います。PT01やロータ、インコテックス等、フォルムがきれいなパンツは既製品にもあります。それはパンツ職人さんも認めておられます。ですが職人さんは動きやすさはどうかのか、と疑問を呈されます。手縫いの箇所はあまりなく、シルエットの良さも、アイロンによるクセ取りではなくパターンで対応していると。それでは動きやすさは担保できないとおっしゃります。
パンツ職人さんは、主要部分が手縫いであること、アイロンによってクセ取りをしていること、を重要視されます。手縫いであることによってパンツにかかる力が分散され、動きやすくなり、加えてクセ取りをしていることで、動きやすさに加えて、シルエットもきれいになる、と話されます。
よく「S字を描く」と言いますが、これはアイロンによるクセ取りの効果で、このクセ取りも、天才職人の職人技のようにも言われたりしておりますが、よくよく聞いてみると「基本的なひと手間」のようなもので、単純に「ひと手間かけるか、かけないか」ということのようです。それであらためて当店にある既製品を今一度チェックしてみましたが、既製品のパンツはクセ取りは行なっていない感じであり、ビスポークでも、省いているサルトも中にはありました。
もっとも動きやすさの感じ方は人それぞれです。クセ取りを否定するビスポークのテーラーさんもいらっしゃいますし、お客様がPT01やロータ、インコテックス等の既製品でも十分であれば数万円半ばで、セールで買えばさらにお安くお求めできます。ですが手縫いとアイロンによるクセ取りがどんなものか、一度ハマれば戻れなくなるもしれません。
スーツのビスポークに比べ、パンツのビスポークは割高に感じるのですが、当店では、スーツの代金でご注文をいただき、ジャケットとパンツを別の生地で仕立て、ジャケパンで作ることも可能です。その際、パンツの型紙ができますので、同じシルエットでならで2本目は割安にオーダーできます。是非一度お試しいただければありがたいです。ジャケットやスーツ同様、ポケットの袋までハンドで縫いあげる正真正銘100%のフルハンド、通常ハンドと言われるレベルのフルハンドの2パターンで、当初1年は特別価格でご提供いたします。