Tango204-205、オールドイングランド

その昔、パリにオールドイングランドという孤高のセレクトショップがあり、ナポリのロンドンハウスも別格ですが、当時、その3乗ぐらいの格だったと思われます。

70代か80代のお洒落な年配の有名な店員さんがいて、世界中から彼を見に集まるわけです。店主も何とか声をかけてもらおうと周りをウロチョロしたものです。この時は、夏ですけどオリジナルのカシミア100%のソックス(写真)を大人買いしたのですが、「おっ、そうくるか」と、「営業」かもしれませんがいい顔をしてくれた気がしたのを今も覚えています。

当然、ここの別注品は魅力的で、しかもダブルネームとなると相乗効果が生まれます。Tango204はそんな一品で、縫製はチェスター・バリーであります。チェスター・バリーはサイモン・エイカーマンが創立した紳士服ブランドで、約8割の工程を手作業で行い、米国ながら英国以上に英国的、ロールス・ロイスの跡地に工場を構えたこともあり、着るロールス・ロイス、と称されるブランドであります。ラルフローレンの最上級ラインであるパープルレーベルのスーツ(Tango206)も初期はチェスター・バリーが請け負っていました。

オールドイングランドとチェスター・バリーのタグのチェスターコート、素材はカシミア、色はネイビー、鉄板の1着であります。