Tango128~130、アンナ・アマトッツォ 別注シャツをやっていて、いろいろと研究しておりますが、アンナマトッツォのシャツはなるほどと思います。日本人の直線のDNAに対し、向こうは曲線のDNA。ボタンホールの手縫いとかよりも、別のところで随所に感心させられるポイントがあります。 襟なんかもコットン素材ではアイロンワークとかも効かないと思うのですが、ちょっとした生地の引っ張りで、ロールの感じとかを出していたりで、恐らくそれはマニュアルではなく、染みついた感覚や手癖がそうさせていて、本人たちも気付いていないんじゃないかと思います。本人たちが気付いていないなら、教えてもらえないですし、日本人の直線のDNAでは、気付きようがないのではとも思います。 そんなアンナマトゥツォのシャツですが、当店、ビンテージ生地を使用したビスポーク流れの未使用品を30枚ほど在庫しております。ビンテージのカルロリーバはもちろんですが、オックスフォード地のボタンダウンあたりはなかなか味があります。ブルックスのボタンダウンもブルックスやポロに合わせるならいいのですが、ナポリのジャケットに合わせると少し違和感が出てしまいます。やはりナポリのジャケットにはナポリのシャツが落ち着きます。 襟の形等も様々で、クラシコと言えども時代を感じさせてくれます。時代考証が重要な映画関係者の皆様にも注目していただきたい感じです。 それでその30枚の中に、ビンテージシルクやカシミア100%もいくつかあります。カシミア5%とかカシミア15%程度であれば、ブリーニとかも時々出しますが、100%となると、パープルレーベルで昔見たことがある程度で、非常に珍しいと思います。 シルクも、今のシルクは働き方改革と生産性が重視されていしまい、どこか固くて薄いキヨスクのような感じになっていますが、昔の過酷な労働条件、低い生産性で生み出されたシルクは気合が違います。ぜひこれで着道楽道を極めてしまってください。